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活動報告

情報

目次

  1. 「公共施設・インフラの老朽化と地方財政~住民の安全・安心を守るために」第11回千葉県地方自治研究集会を開催(2018/09/22)
  2. 2018年度フィールドワーク市原南部地域の地域起こし等を視察(2018/11/21)
  3. 「地域に希望を―人口減少時代の地方財政を問いなおす」講演会の開催(2018/06/23)
  4. 「日米地位協定と地方自治」講演会の開催(2018/03/03)
  5. 千葉県九十九里地域で地震防災フィールドワークを実施(2017/11/08)
  6. 「グローバル化する労働問題と働き方改革」講演会を開催(2017/06/24)
  7. 「中東世界と日本」講演会を開催(2017年3月4日)
  8. 「東日本大震災5周年・首都圏大地震をしのぐために」第10回千葉県地方自治研究集会を開催(2016/09/17)
  9. 「『地方創生』と『一億総活躍』」講演会の開催(2016/06/11)
  10. 「世界と日本のいま~私たちの生活どうなる~」講演会の開催(2016/02/20)
  11. 2016年自治体政策フォーラムを開催(2016/01/25)
  12. 「『地方創生』と地方自治」講演会の開催(2015/06/13)
  13. 在宅医療・介護の第1回シンポジウム開催(2015/02/07)
  14. 指定都市・中核市の財政課題等を取りまとめ(2014/10)
  15. 千葉県在宅医療等研究会キックオフ集会開催(2014/09/27)
  16. 第9回千葉県地方自治研究集会を開催(2014/09/20)
  17. 講演会を開催「原発避難者の生活再建へ」(2014/6/14)
  18. 「自治体政策フォーラム」を開催(2014/5/22)
  19. 「戦後千葉県労働運動史」を無料贈呈(2014/2/17)
  20. 高齢者介護めぐって講演会とパネル討論(2014/2/15)
  21. 自治研センター講演会(2013/10/26)を中止しました
  22. 「地域医療と少子化対策」事業報告会(2013/6/22)
  23. 「安倍政権と地方行財政改革の行方」テーマに講演会を開催(2013/6/15)
  24. **新理事長に宮﨑伸光氏を選出**理事会・定期総会を開催
  25. 「限界労働」に近づく非正規公務員-急がれる処遇改善-自治研センター講演会を開催(2013/02/16)
  26. 夕張の鈴木直道市長の講演と対談-第8回千葉県地方自治研究集会を開催
  27. 「地域医療と少子化対策を考える」講演会とパネルディスカッションを開催(2012/08/01)
  28. 東庄町の岩田町長と井下田理事長が対談(2012/07/25)
  29. 「大阪都構想の現状」テーマに講演会開催(2012/06/16)
  30. 第4回総会で全議案が承認されました(2012/06/16)
  31. 千葉市長を交えて大都市問題等で対談実施(2012/03/29)
  32. 「巨大地震と液状化」で定例講演会を開催(2012/02/18)
  33. 神崎町の石橋町長を表敬訪問(2012/02/03)
  34. 茂原市の財政分析結果の報告会を開催(2011/11/14)
  35. 「入札改革」テーマに定例講演会を開催(2011/10/23)
  36. 定例講演会を開催(2011/06/18)
  37. 定例講演会を開催(2011/02/12)
  38. 定例講演会を開催(2010/09/25)
  39. 定例講演会を開催(2010/06/19)
  40. 定例講演会を開催(2010/03/13)
  41. 設立記念講演会を開催(2009/12/19)

new 2018年度フィールドワーク市原南部地域の地域起こし等を視察(2018/11/21)

11月21日、千葉県地方自治研究センターはフィールドワークを実施しました。

今回の目的地は、古代には上総の国の政治・文化の中心地として栄え、現代は愛知県豊田市に次いで全国第2位の製造品出荷額を誇る工業都市である市原市です。最近は養老川沿い断崖面の地磁気逆転地層の「チバニアン」命名が話題となっております。

千葉県の中央部に位置し、県下最大の面積を誇る市原市ですが、地域での「まちおこし・むらおこし」が盛んに行われていることをうかがいました。

そこで、どのような活動が行われているのか、市原市を南北に流れる養老川に沿って、バスと鉄道によるフィールドワークに出かけることにしました。集合場所の千葉駅前は予定通り、午前8時20分にバスは出発しました。車窓の外は、ぽかぽかの小春日和です。

小湊鉄道に乗って、森ラジオステーション・チバニアンへ

車窓から見る小湊鉄道沿線の風景

森・ラジオステーションを視察

チバニアンでボランティアガイドから説明を受ける参加者

フィールドワーク参加者の皆さん(於チバニアン)

最初の視察地は小湊鉄道「上総牛久駅」です。2017年に国の登録有形文化財に登録された駅舎から『キハ20形気動車』に乗って、月崎駅に向かいました。月崎駅で下車すると、駅舎に隣接する苔と山野草に覆われた奇妙な小屋が目に留まりました。

ここが次の視察地である、「森・ラジオステーション」です。この施設を管理する森遊会の田村さんからお話を伺いました。この建物は、小湊鉄道の保線員詰所だったのですが、芸術品の展示をするアート会場として保存しているのだそうです。映画のロケで使われるとのことでした。

再びバスに乗って、次の視察地の「チバニアン」のある田淵に向かいました。到着すると地元のみなさんの歓迎がまっていました。視察場所である養老川の川崖へと急坂を下っていくとやがて、地場逆転地層が露出した国指定天然記念物にたどり着きました。ボランティアガイドの渡辺先生と石井さんから、N極とS極が逆だった時代があったことや地層を調べた結果、77万年前を示す地層(白尾層)を境目として逆磁極、磁極遷移、正磁極の時期の連続した推移が分かったと説明していただきました。

内田未来楽校―昭和3年の木造校舎を拠点に地域おこし

内田未来楽校の常澄良平理事長の写真

午後は、昭和3年(1928年)に建築された木造校舎の保存をとおして、地域住民の活動及び地域おこしの拠点づくりをしているNPO法人報徳の会・内田未来楽校を訪ねました。理事長の常澄さんから江戸時代に置かれた伊丹陣屋や学校のこと、戦前・戦中・戦後の内田の暮らし、事務局長の小出さんからは内田未来楽校の活動についてお話しいただきました。

今ある資源や自然だけでは限界があるのでマルシェ(市場)や芸術祭を行うことによって、新たな力と継続力を強めているとのことでした。校舎の中の展示作品は、みなさんの遊び心があふれておりました。

国指定史跡上総国分尼寺跡展示館

日が傾いてきたところで、最後の視察地である国指定史跡上総国分尼寺跡展示館に向かいました。ビデオを見た後、展示館のガイドの方に説明をしていただきました。残念なことに到着が30分遅れとなっていたので、国内最大級の史跡を歩いてみることはかないませんでした。

解散場所の千葉駅前には渋滞によって、30分遅れの午後6時の到着となりましたが、フィールドワークは無事終了することができました。

今回のフィールドワークでは、地域おこしで活躍する市原のみなさんから、笑顔と元気をたくさんいただき、充実した一日を過ごすことができました。 ご協力いただきましたみなさまに心から感謝申し上げます。 次回のフィールドワークのご参加もお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

【開催案内】0.23MB





new 「公共施設・インフラの老朽化と地方財政~住民の安全・安心を守るために」
第11回千葉県地方自治研究集会を開催(2018/09/22)

9月22日、自治労千葉県本部と千葉県自治研センターの共催で、千葉県地方自治研究集会が開催されました。隔年で開かれる今回の集会では、公共施設・インフラの老朽化対策をテーマに基調講演とパネルディスカッションが行われました。

第11回千葉県地方自治研究集会の模様冒頭、椎名衛自治労千葉県本部委員長の主催者あいさつ並びに田島要衆議院議員の来賓あいさつの後、単組報告として銚子市市職労から「銚子市におけるインスタグラムを活用したビジュアルプロモーションについて―若手職員プロジェクトチームによる調査・分析―」の取り組みについて報告を受けました。

本集会の基調講演は、『公共施設・インフラの老朽化と地方財政~住民の安全・安心を守るために』を演題に、明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授兼村高文氏にお願いしました。

講師の兼村高文氏の写真兼村先生からは、講演時間は限られているので、①公共マネジメントとは何か、②老朽化した公共施設・インフラをどのようにリニューアルすればよいか、の2点に絞ってお話しいただきました。冒頭、兼村先生は、インフラの老朽化対策で最も重要なのがお金の問題であり、お金があれば建て替えや長寿命化を進められるが、現状は税金が足りずお金がない中で、どのようにアイデアを出して更新していくかが課題となっている、とインフラの老朽化対策の問題点を報告しました。そのアイデアの一つとして、「協同のガバナンス」をあげ、行政だけでできないことは住民の理解を得、住民の力を借りて問題の解決を図っていくことが必要と指摘されました。また、高齢者を資源と見て、その資源を有効活用していく取り組みを日夜行っているイギリスの"co-production"(同時生産)の事例が紹介されました。

パネリストの島田昌信氏の写真

パネリストの石橋和宏氏の写真

また、この間の経緯について、1960年代後半から1970年代にかけて、公共施設・インフラ整備が非常に増加し、建築後50年を経過するものが急増しつつあり、公共施設・インフラの管理に対する機運が高まったのは、2012年に発生した中央自動車道の笹子トンネルの天井崩落事件がきっかけとなり、国・地方での取り組みが加速しているとのことでした。そのような中で、総務省は、2015年に「統一的公会計基準」を策定し、地方公共団体の資産の状況を正しく把握するためのツールとしての固定資産台帳の整備等を行い、公共施設・インフラの資産並びに老朽化の状況を金額的に実態把握ができるように取り組みを進めているが、公共マネジメントという観点からは資産を金額できちっと把握することは重要と話されました。

パネリストの網中肇氏の写真

パネリストの田畑直子氏の写真

一方、近年の地方財政の状況に目をやると、税収の伸び悩みの一方で、社会保障関連の支出が伸び続ける中で、公共投資は右肩下がり若しくは横ばいとなっており、とても公共施設・インフラの老朽化対策に財源を増やす状況にはない中で、個々の施設の財務書類をベースにして施設の更新の優先順位付け、施設の運営管理の見直し、統廃合等を検討していく必要を述べました。それらのことを進める際に、住民参加という視点がきわめて重要だと強調されました。

基調講演の後、宮﨑伸光氏(千葉県地方自治研究センター理事長)を司会にパネルディスカッションを行いました。パネリストには、網中肇氏(千葉県議会議員)、田畑直子氏(千葉市議会議員)、島田昌信氏(千葉県総務部資産経営課副課長)、石橋和宏氏(千葉県県土整理部道路環境課副課長)、コメンテーターとして基調講演の講師の兼村高文氏にお願いしました。千葉県の島田氏からは、いわゆる"ハコモノ"を中心とした「千葉県公共施設等総合管理計画」について、また石橋氏からは道路、橋梁、トンネルなどのインフラの老朽化対策の現状と課題をメインに報告がありました。

千葉市議会議員の田畑氏からは、千葉市担当課からのヒアリングを踏まえて、千葉市の公共施設・インフラの老朽化対策全般について報告がありました。千葉県議会議員の網中氏からは、千葉県における"ハコモノ"の統廃合・集約・複合化に関わる問題点をお話しいただきました。コメンテーターの兼村氏からは、公共施設・インフラの老朽化対策を進めるにあたって、市民参加の重要性と市民参加予算の実践が提起されました。 最後に、司会の宮﨑理事長から、集会参加者の多くが現役の自治体職員であることを踏まえ、職域・現場からの発信、情報提供、あるいは情報の研究というものがますます必要になっていると、まとめを述べ、終了しました。

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 「地域に希望を―人口減少時代の地方財政を問いなおす」講演会の開催(2018/06/23)

6月23日の講演会の模様

6月23日、当センターの総会終了後、少子高齢化と人口減少が進む時代の地方財政に焦点をあて「地域に希望を-人口減少時代の地方財政を問いなおす」を演題に、記念講演会を15時から開催しました。講師には、自治労が設置した「人口減少時代の自治体財政構想プロジェクト」の中心メンバーの一人で新進気鋭の研究者である埼玉大学大学院人文社会科学研究科の高端正幸准教授にお願いしました。

講演では、行き詰まり感が漂う社会にあって、誰もが人間らしく生きられる社会をいかに目指しうるのか、日本社会の現状と課題、変革の方向性とその処方箋を話していただきました。講演概要が以下のとおりです。

厚生労働省の国民生活基礎調査でも、今や国民の6割―多数派が「苦しい」という生活実感を抱く時代となっている。若者の死因の1位が自殺で、自殺死亡率はG7最高であることからもうかがえる。政府は、20年間、富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちるという「トリクルダウン」の考え方に基づいて、経済成長を優先させる政策を推し進めてきた。しかし、その政策には行き詰まりが見え始めている。

講師の高端正幸氏の写真一例をあげれば、実質GDP成長率は低いといわれるが、日本の生産年齢人口一人当たりの実質GDP成長率は1.5%と欧米を上回っている。労働現場では高齢者・女性を含めて働ける人はすでに目いっぱい働いている状態であり、低いといわれる実質GDP成長率を引き上げるのは無理なのは自明だ。無理な金融緩和を続けることによって経済成長を達成して、我々が直面している危機的な状況を乗り越えられるという類の言説は完全に間違っているといえる。

人々の生活を支えるべき日本の社会保障政策の特徴は、「労働による自立」と「家族による自助」を前提として、組み立てられている。現金給付の内訳をみれば、年金給付が大部分を占め、現役世代の所得保障が異常なほど小さい。現物給付のうち、医療を除くサービスは高齢(介護)以外のケアサービスは雀に涙となっている。

本年4月の朝日新聞とベネッセの調査によると、「所得の多い家庭の子どものほうが、よりよい教育を受けられる傾向」に関して、「当然だ」9.4%、「やむをえない」52.6%、「問題だ」34.3%という結果となっている。2008年調査と比べて、「問題だ」と答えた人が19ポイント低下している。不平等・貧困の拡大に有効な策を打てない政府に対する、「あきらめ」が強まっている。このような「あきらめ」が怒りとなり、世界的な排外主義・自国優先主義の右派ポピュリズムの台頭となってあらわれている。

自己責任社会では、人々は生活不安におびえ、必死に自立することを強いられる。日本の社会保障制度から得られるはずの受益感・安心感が欠如しており、税を払っても何のメリットもない政府への不信と生活保護受給者・高齢者・子育て世帯など「福祉に頼る」人々に対するねたみを助長している。このことは、階層間の連帯・寛容さが失われ、主たる税負担層かつ政治的多数派である中間層の租税抵抗を激化させている。

「人口減少時代の自治体財政構想プロジェクト」の報告書では、自己責任社会を終わらせ、現状の「弱者を救う」政策から「皆のニーズを満たす」政策への転換を提言している。すなわち、自己責任ではなく、「負担の分かち合い」の社会を実現するために、誰もが直面しうる年金・失業給付などの現物給付、医療介護ケアなどの現物給付及び就労支援という「共通ニーズ」を分け隔てなく満たす、必要原理を提唱している。

この「共通ニーズ」を満たすための新たな財源として、「連帯税」を考えている。自治体間の合意により、都道府県の個人住民税所得割の税率を、全国一斉に一律のパーセンテージで引き上げる。あるいは地方消費税の税率を引き上げて、この財源を調達する。自治体がこの財源を出し合って配り直すという、水平的財政調整の一種である。

具体化にあたっては、地方税法をはじめとした現行法制度との整合性や、地方財政計画、地方交付税算定との関係など、検討すべき論点が存在することは言うまでもないが、それらは十分に克服が可能である。地域を起点に政策転換を実現させていくために、自治体間連帯に基づく財源調達を構想が重要だと考えている。

講演会の内容は、自治研ちばvol.27(2018年10月発行予定)に掲載を予定しています。

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 「日米地位協定と地方自治」講演会の開催(2018/03/03)

3月3日の講演会の模様

2018年3月3日、「日米地位協定と地方自治」と題した講演会を千葉県教育会館604会議室において開催しました。講師には、日米地位協定に関する研究分野のオーソリティである法政大学法学部教授の明田川融(あけたがわ とおる)氏をお招きしました。

本題の講演内容に入る前に、日米地位協定がどのような背景・経緯でできあがったのかを予備知識として、記載しておきます。1945年に第二次世界大戦が終了した後、敗戦国の日本には連合国の日本占領軍としてアメリカ軍が駐留しました。6年後の1951年9月に、サンフランシスコ講和条約が締結され、「連合国日本占領軍は本条約効力発生後90日以内に日本から撤退。ただし日本を一方の当事者とする別途二国間協定または多国間協定により駐留・駐屯する場合はこの限りではない」と定められました。

当時、日本の周りでは、1949年に毛沢東が中国天安門で中華人民共和国の成立を宣言し、また、1950年には朝鮮戦争が勃発する等、東西冷戦の緊張関係が強まっていました。そのような中で、1952年に日米行政協定が締結され、駐日アメリカ軍の日本国内とその周辺における権利等が決められ、沖縄をはじめ日本各地に米軍基地が存在することとなりました。さらに、1960年に日米新安保条約の締結にともなって、日米行政協定から日米地位協定と改められました。

講師の明田川融氏の写真講演では、明田川氏は、最初に「全土基地方式」と呼ばれる基地の設定と使用の取り決めがきわめて特異であったことに触れました。「全土基地方式」とは、米軍が日本国内の望む場所に、望む期間、望む数の軍隊を駐留させることができるという手法を指しています。世界的に見れば、このような方式は異例であり、通常はその国におかれる米軍基地は基地名が明記されているのが一般的となっています。

サンフランシスコ講和条約と日米安保条約の生みの親と言われるアメリカのジョン・フォスター・ダレスですら、米国にそのような特権を付与する政府は、日本の主権を棄損することを許したとして自国民の非難の的になるから、そんな厄介なことを承知する政府はあるだろうか、と考えていたようでしたが、日本政府は「全土基地方式」を認めてしまいました。

基地の使用の供与に関する具体的な事項は、密室の日米合同委員会で決められていますが、沖縄県の仲井間前知事はこのことを称して「すべては米軍の御意のままに」と表現しました。1945年の日本の敗戦からの6年に及ぶ占領時代とほとんど変わらず、日本国の主権が奪われたままとなっています

そのほかに講演では、米軍基地内の環境汚染が放置されたり、基地内に犯罪者が逃げ込んだ際に操作できない等、基地内では日本の法律が適用されないという排他的管理権の諸問題に触れられました。とりわけ、沖縄でたびたび発生する軍用機墜落事故を例にとり、事故捜査等にあたって起きる諸課題について詳しく説明されました。

憲法改正問題が国会で議論されている昨今ですが、日本の「主権回復」の取り組みが急がれるべきと感じました。

講演会の内容は、自治研ちばvol.26(2018年6月発行予定)に掲載を予定しています。

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new 千葉県九十九里地域で地震防災フィールドワークを実施(2017/11/08)

刑部岬から眺める飯岡漁港(旭市)

11月8日、千葉県自治研センターは会員サービスの一環として、地震防災フィールドワークを実施しました。朝からあいにくの雨模様でしたが、県内から21名が参加。参加者は千葉駅からバスで九十九里地域(大網白里市~旭市)へと向かいました。

千葉県に大きな津波被害をもたらした歴史に残っている地震に、1703年の元禄地震があります。地震の規模はマグニチュード7.9~8.2で、被災地域は江戸・関東諸国にわたっています。元禄地震は房総半島沖を震源として大晦日の真夜中に発生し、千葉県九十九里地域を大津波が襲ったこともあり、千葉県内の被害は、死者6,534人、家屋全壊9,610戸、流失5,295戸にも及んだといわれています((財)千葉県環境財団 編集・著作「防災誌 元禄地震-語り継ごう 津波被災と防災-(2008年10月)」)。

今回のフィールドワークでは、千葉県九十九里地域の津波災害対策に焦点を当てて①波乗り道路のかさ上げ工事、②蓮花寺(山武市)の津波供養塔、③東日本大震災による旭市の被災並びに復興状況、について調査しました。

波乗り道路のかさ上げ工事

雨の中、県の担当者から説明を受ける参加者

大網白里市の波乗り道路際の海岸で、かさ上げ工事について千葉県河川整備課海岸砂防室室長の松宮正純氏から説明を受けました。

千葉県は、波乗り道路9.9キロ全線通行止めにしてかさ上げ工事を実施中で、すでに九十九里町片貝から真亀JCT間3.2キロが完成し、真亀JCTから白子町古所北海岸までの5.7キロが本年12月中の完成を予定しているとのこと。この工事は、現在の波乗り道路を約2メートルかさ上げするもので、予想される津波の高さを6メートルとして設計、土砂23万立方メートルを投入する予定とのことでした。

蓮花寺(山武市)の津波供養塔

蓮花寺の八十八石仏

 山武市蓮沼にある蓮花寺は永享元年(1429年)室町時代に開山したとされる浄土宗の寺です。蓮花寺住職の樋口義幸氏及び山武市歴史民俗資料館の勝山康氏からお話を伺いました。

1703年の地震による大津波の規模は、4メートルから8メートルぐらいで、この付近一帯では109人が犠牲になったと伝えられているそうです。

お寺の正門から入ると、すぐ右手に八十八の石仏が並んでいます。これは、村内の信者が犠牲者を供養するために昭和6年に建立したもので、昔はこの奥の千人塚まで石仏が続いていたものをここに集めたとのことでした。

本堂の奥をまわって、竹が生い茂る中に千人塚がありました。千人塚について説明する樋口住職この千人塚には109人を埋葬したと云われているもので、大正6年に初代蓮沼村村長瀧川重太氏が、当時の埋葬場所に盛り土をして建立したそうです。塚そのものの面積は200平方メートルあり、築山のようにまわりより2mほど高くなっています。土地は国有地になっており、現在、ボランティアによって管理されています。

明治6年の火災で蓮花寺の過去帳を含めた当時の記録資料が焼失してしまい、文化財とはなっていないのが残念と、樋口住職は話されていました。

東日本大震災による旭市の被災並びに復興状況

津波避難タワーの上で旭市の担当者から説明を聞く参加者

午前中の調査を終え、旭市の「いいおか潮騒ホテル」で昼食休憩。この「いいおか潮騒ホテル」は東日本大震災の津波被害で休業していましたが、2015年夏にリニューアルオープンしました。

午後は、ホテルに隣接する旭市防災資料館において、東日本大震災による旭市の被害状況と復旧・復興の取り組みについてのビデオ上映、防災資料館の管理人の方から東日本大震災時に体験された津波被害のお話を伺いました。

東日本大震災では、第1波の津波が襲ったのが地震の約1時間後でしたが、住民が安心した17時26分に第2波の7.6mの大津波が飯岡地区を襲いました。旭市では、住家被害としては全壊336世帯、大規模半壊434世帯、半壊512世帯、一部損壊2,545世帯、合計3,827世帯と旭市内全世帯の約15%が被害を受けました。また、人的被害では、14人の尊い命が失われ、今なお2人の方が行方不明となっています。

フィールドワークの参加者の皆さん(飯岡刑部岬展望館にて)その後、旭市役所企画政策課主査の菅晃氏、副主査の小林淳二氏、総務課主査の角川幸広氏の案内で、津波避難タワー(三川地区)の視察、飯岡灯台よりの被災箇所の確認、災害公営住宅(復興住宅)、飯岡中学校及び津波避難道路の視察を行いました。

今回のフィールドワークでは、千葉県、山武市、旭市の行政担当者の皆さん、並びに山武市蓮花寺の樋口住職にはお忙しい中、とても丁寧に対応していただき、充実したフィールドワークとなりました。ありがとうございました。

 「グローバル化する労働問題と働き方改革」講演会の開催(2017/06/24)

6月24日の講演会の模様

6月24日、早稲田大学社会科学総合学術院の篠田徹教授をお招きし、「グローバル化する労働問題と働き方改革」と題した講演会を開催しました。

篠田先生は、労働問題を専門とする数少ない研究者のお一人で、様々な国の労働問題にも精通されています。講演会では、イギリスのEU離脱やトランプ現象の背景等にもふれていただき、わかりやすいお話をしていただきました。講演要旨は以下のとおりです。

グローバル化が進み、世界が急速に変化し、見えていたはずの未来が不透明になってしまった。 最近の世界情勢を見ると、英国はEUからの離脱を決定し、米国ではトランプ大統領が誕生するなど、大手メディアの予想を裏切る政治状況が生まれた。

なぜ、予想が外れるのだろうか。米国では、マスメディアの報道に対し、インターネット上には反論する声が溢れていた。これまで、マスメディアが無視してきた人たちが声をあげたのだ。

講師の篠田徹氏の写真トランプ大統領は、マスメディアが正しいとしてきた事実を『フェイク』と一蹴し、『アメリカ・ファースト』と移民排斥と自国中心主義を吹聴した。しかし、移民が白人の仕事を奪っているとも言えないし、移民の多くが、白人のやりたがらない仕事をしている現実もあり、移民なしでやっていけるのだろうか。

国際紛争の手段として、武力行使をして鎮圧したとしてもテロはなくならない。なぜなら、ゲリラになった理由を問うと、「仕事がないからゲリラになった」という答えが返ってくるという。銃を取り上げても、彼らに仕事を与えなければテロはなくならない。 未来が見えないので、みんながイライラしている。今、労働問題の多くは、パワハラやイジメによるメンタルに関するものだ。ソフト労災という、全く公的規制のない事件がほとんどである。

最近、これまで薄かった労働問題に対する学生たちの関心が変わってきた。若者にとって、自分がどのような職業に就くかは重要な問題であって、アイデンティティそのものである。ミレニアム世代(1980~2000年生まれ)といわれる彼らは、IT世代なのでスキルは高く、しかも世の中の役に立ちたいという気持ちが強い。加えて、彼らの多くは、このままでは地球がおかしくなるという危機感を持っている。

我が国の政治状況を見ると、安倍1強体制が続く。安倍政治の強さは、第一次安倍政権から『再チャレンジ』を取り上げ、さらに第二次政権になってからも『一億総活躍』や『女性活躍』など一貫して、労働問題に取り組んできたことにある。 グローバル化とは、ローカルとグローバルに境目がなくなり、あらゆる場所に外国人がいることである。従って、自分の隣りに色々な人がいることを認め、みんなで問題解決するための仕組みを作ることが重要となる。

働き方改革とは、働くことの意味を自分から考え直すことである。 グローバル化時代の働き方改革とは、世界の人たちと職業を奪い合うのではなく、不況と失業の波を乗り越え、一緒になって生きていくことではないだろうか。

講演会の内容は、自治研ちばvol.24(2017年10月発行予定)に掲載を予定しています。

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 「中東世界と日本」講演会を開催(2017/03/04)

当研究センターの講演会は地方自治を中心に、医療、福祉、地方分権、防災などを時々の課題としてきましたが、今回は激動の世界に目を向け、中東問題をテーマにして参議院議員の大野元裕氏を講師に招いて、3月4日に千葉県教育会館にて講演会を開催しました。 3月4日の講演会の模様

講演会は、網中肇県議会議員(当センター理事)の司会で開会し、宮﨑理事長の主催者あいさつの後、早速、大野氏より「中東世界と日本」と題する講演に移りました。大野氏は、13年間中東に滞在した経験を持ち、現在も中東調査会客員研究員をつとめるなど中東研究の専門家として活躍されています。講演では、中東問題を考えるうえでの基本的な視点を踏まえたわかりやすい話をしていただきました。講演概要は以下のとおりです。

まず「中東」の定義は定まったものがなく、日本の外務省の定義では、イラン、イラク、シリア、ヨルダン、サウジアラビア、イスラエル、レバノン、エジプト、リビア、バーレーン、アルジェリア、チュニジア、モロッコ、あたりまでをさすとのことです。中東は、地政学的にヨーロッパとアジアとアフリカを結び、しかも大量の石油が産出する重要な地域ですが、「まさに資源のない日本にとっては、好き嫌いに関係なく、つき合わざるを得ない地域」との基本的な認識が示されました。

次に大野氏は、「中東の石油価格は、基本的に世界のエネルギー価格を決めており、ほとんどのエネルギーが、石油価格が上がった瞬間にすべて値上がりする。投資の市場で一番大きな物品だから、石油価格が上がるとほかの商品、特に原材料が必ず上がる。それから、これが上がるとマーケットが引きずられる。こういう状況で、石油の価格というのは今でも変動する」と中東の石油が世界経済に及ぼす影響にふれました。

日本の石油輸入の特徴にふれ、その8割が中東に依存しており、これほど中東に依存している国はアジア・太平洋地域ではほとんどない、とのことでした。また、大野氏は、「石油価格は、需給と供給でコントロールされないため、経済では測れない。1973年の第1次オイルショック、1979年の第2次オイルショック、1980年代のイランイラク戦争等をはじめとして、中東情勢が不安定になると価格が急騰する」と石油価格に関連するもう一つの特徴にふれました。

講師の大野元裕氏の写真中東石油に依存する日本にとって、「中東情勢が安定していてくれればよいのですが」としながら、講師は「アラブの春」の状況分析、イスラム教とはなにか、イスラーム原理主義はなぜ生まれたか、中東情勢の不安定さの要因について話を掘り下げていきました。「アラブの春」は、チュニジアの町で、違法に道で物を売っている若者が、警官に商品を没収される等のいじめを受けたことに対して、油をかぶって焼身自殺したことがきっかけでしたが、それがネットで拡散して暴動に発展していきました。

なぜ、中東地域に広がっていったのか、それにはみんなが抱える共通の問題意識があったからであり、「深刻な話だが、中東世界では出世するためには何が必要かといえば、それはコネだ。教育ではない。湾岸諸国などのお金持ちの国では教育レベルは高いが、それでも出世するためにはコネが必要」と講師は述べ、一部の特権階級と何をしても決して浮かばれない階層の人たちというアラブ社会が長年抱えてきた構図をひっくり返したのが、チュニジアの事件であったと指摘しました。しかし、「アラブの春」によって、独裁政権を取り換えましたが、下部構造が変わらないため、社会はよくなりませんでした。

大野氏は中東情勢を単純化し、わかりやすく説明。それによると、イラクではスンニ派からシーア派に政権が変わったが、スンニ派を支援するサウジアラビア等の湾岸諸国とトルコ、アサド政権やシーア派を支援するイランやレバノンという中に、ISが入ってきて、三つ巴となっており、どの国も自分の国のことで手一杯の状況とのことでした。

最後に、大野氏は、中東の人たちは日本人が大好きで、「日本は立派でヨーロッパやアメリカに正々堂々と対峙している。これだけすばらしい国は見習わなければいけない」というようなイメージを持っており、このことをうまく活用した中東との関わりを考えていく必要があるとしています。軍事的に関わるというのは日本の場合には無理があり、地域の安定化やテロ等の危機の封じ込め、地域社会における収入源の創出というような、日本が得意とする分野でいかに貢献できるかが重要と提言されました。

講演会の内容は、自治研ちばvol.23(2017年6月発行予定)に掲載を予定しています。

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 「東日本大震災5周年・首都圏大地震をしのぐために」
第10回千葉県地方自治研究集会を開催(2016/09/17)

9月17日(土)13時30分から、第10回千葉県地方自治研究集会が千葉県教育会館会議室で開催されました。第10回千葉県地方自治研究集会の模様本年が東日本大震災から5周年の年にあたることから、震災の経験を風化させず、近い将来に首都圏を襲うであろうといわれている大地震への備えを兼ねて「危惧される首都圏大地震をしのぐために~歴史に学び、東日本大震災の経験を風化させない~」を集会テーマとしました。

はじめに、自治労千葉県本部の椎名委員長の主催者のあいさつの後、2単組から報告が行われました。東日本大震災時に液状化被害に襲われた千葉市職労及び神崎町職労からの被害状況について単組報告が行われました。

基調講演は、前衆議院議員・都市プランナーの若井康彦氏を講師にお願いしました。「21世紀千葉地震に備える~せまり来る首都直下地震の危機~」を演題に、千葉県に大地震による災害いつ発生しても不思議でないこと、一人一人が当事者意識を持つことの大切さが語られました。

講師の若井康彦氏の写真「21世紀千葉地震」という言葉は一般的に使われてはいませんが、あえて若井氏が「21世紀千葉地震」というタイトルを使ったことには二つの理由があります。一つ目が地震に対する当事者意識を持ってもらいたいこと、二つ目は千葉県が大地震の「主戦場」となり大規模な災害が発生する危機が間近に迫っているという認識を共有してもらいたいこと、の二つです。

若井氏は千葉県を襲った過去の大地震を説明しながら、千葉県における地震の危険性について言及しました。1605年に「慶長地震」という大地震が発生したこと、その後の1703年12月31日に千葉県の東方沖を震源とした「元禄地震」は、マグニチュード8.2という非常に大きなものでした。山武市蓮花寺の八十八石仏高さは8mに及んだと考えられている津波がまともに千葉県の九十九里一帯を襲い、一説によると、県内で亡くなった人の数は6,534名といわれているとのことでした。過去の地震で亡くなった方を慰霊するために、千葉県内には、山武市蓮花寺の「八十八石仏」や「千人塚」というモニュメントが九十九里地域だけで18か所もつくられているそうです。

また、1923年の関東大震災を取り上げながら、東京で10万人以上が焼け死ぬということがクローズアップされがちですが、実は震源域の一部である房総半島南部では建物の損壊がひどく、千葉県館山市などでは9割の建物が倒壊した、といわれています。まさに「千葉地震」が発生した場合は、東日本大震災で千葉県が被った津波・液状化等による被害以上の被災を覚悟する必要を強調されました。

対策の基本の考え方として、若井氏は九十九里浜の高さ3mの「波乗り道路」を例にあげ、かさ上げ工事中の「波乗り道路」よりもはるかに高い津波が襲ってくることは容易に想定できるが、津波のエネルギーを弱めることはできるとし、完全に防げない災害ならば減災を基本に対策を立てることが大切だと訴えました。自助・共助・公助といわれるが、阪神淡路大震災では共助によって建物倒壊等から77%の方が助かったとし、地震が起きた最初の5秒間はまず自分を助けることに全力を注ぎ、それから共助にまわることを基本におくべきとしました。

千葉県での大きな被害は都市部で想定されるとし、地震災害が複合的な災害であることを念頭において、建物の倒壊、建物の火災等に対応していくことが必要であるとした上で、とりわけ古い時代につくられた木造密集市街地が災害時に大変危険と指摘しました。一例として、幅1km程度の中に5本の鉄道と3つの幹線道路がひしめいている船橋駅周辺の密集地の問題が出されました。

最後に、若井氏は熊本城の飯田丸の崩壊防止工事が復興のシンボルとして進められていることにふれ、本当に地域にとって何が重要か考えさせてくれるよい事例だと締めくくりました。

第10回千葉県地方自治研究集会パネルディスカッションの模様その後のパネルディスカッションでは、千葉県自治研センターの宮﨑伸光理事長が司会を担当し、コメンテーターとして若井康彦氏、パネラーとして浅尾一已氏(千葉県防災政策課政策班主幹)、吉田博之氏(香取市企画政策課政策班長)、岡野純子氏(浦安市議会議員)からお話を伺いました。パネラーの皆さんの発言要旨は以下のとおりです。

<浅尾一己氏(千葉県防災政策課政策班主幹)>

古文書に書かれている1605年の「慶長地震」以降、「延宝」、「元禄」、「安政」、「江戸」、「大正関東」、「千葉県東方沖」、「東北地方太平洋沖地震」が発生し、千葉県に大きな被害を及ぼしました。

パネラーの浅尾一已氏の写真「プレートの境界で起こる地震」というのは、非常にマグニチュードが大きくなるということと、基本的には津波を伴ってくる地震が多いということが特徴です。千葉県に大きな被害を起こした地震というのは、「プレート境界の地震」であったと思います。

千葉県が2016年5月に被害想定の調査を公表しました。一つが、千葉県の人口分布ですとか建物の集中度等を見れば、東葛・葛南地域で起きた場合が、やはり一番大きな被害が出るであろうということを想定したのが「千葉県北西部直下地震」です。死者も2,000人ぐらい、全壊焼失が8万戸以上という非常に大きな被害を想定しています。

二つ目が、鴨川沖あたりを震源としてマグニチュード8.2ぐらいの地震が想定したのが、「房総半島東方沖・日本海溝沿い地震」で、津波を伴う地震であるということで地震の被害想定を行っております。

公助・共助・自助の三位一体で対策を進めないと、生命・身体・財産が守れません。公が入っていくには時間がかかりますので、まず、どうにか自助で自分の身を守ることが大切で、次に、共助・公助が対応することになります。

<吉田博之氏(香取市企画政策課政策班長)>

「東日本大震災」における香取市の震度は5強でした。香取市の液状化被害は、被害面積が約3,500ヘクタール、約5,000棟の建物被害。それからなものとしては、河川の河床隆起等が顕著で、農地の作付不能面積が2,500ヘクタールでした。

パネラーの吉田博之氏の写真中世の千葉県北部及び茨城県南部には、"香取の海"と称される内海が広がっていました。今回の大震災で液状化がはげしかった利根川左岸域は、江戸幕府が東京湾にそそいでいた利根川の東遷事業を行うことによって陸地化してきたところで、砂洲状となっているところに集落が展開していました。また、利根川右岸域は明治以降になって埋め立てがされたところで、この地域には香取市役所があり、新興住宅として都市化・市街地化された地域も大規模な液状化被害を受けました。。

発災当初、被災者生活再建支援法によります罹災判定の基準には、液状化が全く考慮されていませんでした。香取市内の液状化被害で多かったのは、建物が垂直に沈下してしまうという「類型Ⅲ」といわれる被害ですが、これが救済の対象にならないということで、被害判定を覆すべく、喧喧諤々内閣府とやり取りを行いました。結果として「建物の傾き」「建物の基礎の潜り込み」による判定基準を追加し、液状化被害を受けた家屋の判断基準を事実上引き上げる救済措置を設けることとなりました。

<岡野純子氏(浦安市議会議員)>

東日本大震災によって、浦安市域の86%が液状化被害にあいました。被害棟数は9,154棟。今回の東日本大震災で液状化被害が計2万7千棟ですので、その約3分の1が浦安での被害ということになります。記録に残っている中では、世界最大の液状化被害だと言われております。

パネラーの岡野純子氏の写真ライフラインの応急復旧が完全に終わったのが、一番早いガスで3月30日、下水道が4月15日でした。つまり3月11日から1か月以上、下水道が使えませんでした。上水というのは備蓄や救援物資で、何とかなるところもあります。ところが案外困るのが下水です。 「計画停電」で本当に困ったのが、被害が大きかったたくさんの高層マンションでは、電気を切られてエレベーターに乗れないことでした。また、しばらくすると、液状化の土砂をスコップでよけて、道の横に山となって置かれている土砂が乾いてきたら、次は砂が町の中を舞うわけです。常に西部劇のように空中が砂まみれで、みんな防じんのゴーグルとマスクをしながら町の中を歩きました。

大震災当時、私は専業主婦で浦安市議選に出馬の準備をしていました。その1ヵ月後の4月に初めて市議会議員になりました。私の持論ですが、災害に対する特別条例が必要ではないかと思っています。参考になるのが箕面市の例で、これは東日本大震災のあとにつくられた条例でありまして、「災害が起こったときに、法令を妨げない範囲で条例を優先させる」という前置きを置いた上で条例をつくっています。これが仮に浦安市にもあったならば、今回の震災でも十分に使えたなと感じました。

被災自治体の議員として、まずは特異な経験をした浦安から将来に向けての有効な行動をとれるように、今後も働きかけをしていきたいと考えています。

講演会の内容は、自治研ちばvol.22(2017年2月発行予定)に掲載を予定しています。

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 「『地方創生』と『一億総活躍』」講演会の開催(2016/06/11)

6月11日の講演会の模様

 6月11日、自治研センター総会の終了後、東京大学大学院政治学研究科の金井利之先生を講師にお招きし、「『地方創生』と『一億総活躍』」の演題で記念講演会を開催しました。この講演会直前の6月2日に「ニッポン一億総活躍プラン(以下、『プラン』と略す)」が閣議決定されました。講演では、このプランの分析を中心に鋭い語り口でお話をしていただきました。

金井先生は、まずプランが7月の参議院選挙目当てとなっており、本当に国民生活のことを考えていないと指摘。プランの内容は「一億総活躍」ではなくて、みなで滑り落ちるための総滑落プランだとしました。

講師の金井利之氏の写真また、このプランは「成長か分配かという長年の論争に終止符を打ち、成長と分配の好循環という日本型モデルを打ち出す」としていることに対して、1990年代から日本の中で行われていることは、中産階級や貧困層への分配を減らして一部の富裕層が成長したという「好循環」でしかなく、その構造は今も変わっていないと指摘しました。

プランは、2015年9月のアベノミクスの新三本の矢(GDP600兆円、出生率1.8、介護離職ゼロ)を踏襲しています。プランやアベノミクスがいう好循環を生み出すためのスタート台は経済成長(名目GDP600兆円)となっていますが、金井先生によれば、アベノミクスの乏しい果実は法人税減税・国土強靭化で消えてしまい、おまけに消費税10%増税を延期したため、第二、第三の矢である社会保障(子育て・介護)に財源をまわせなくなったとしました。

日本では、生産性が高い・低いといった生産サイド(供給サイド)の議論が幅を利かせていますが、実は消費サイド(需給サイド)の議論が重要とのこと。今回のプランは、菅直人首相時代の社会保障税一体改革の"パクリ"とのことですが、キチンと所得税・法人税とのバランスをはかりながら、消費増税を行って強い財政をつくり、強い社会保障に財源を回すことによって需給サイドを下支えすることに目を向ける必要があると述べました。

講演会の内容は、自治研ちばvol.21(2016年10月発行予定)に掲載を予定しています。

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 「世界と日本のいま~私たちの生活どうなる~」講演会の開催(2016/02/20)

2月20日の講演会の模様

2月20日、法政大学の萩谷順教授を講師にお招きし、「世界と日本のいま~私たちの生活どうなる~」を演題に講演会を開催しました。

萩谷氏は、世界経済が大変調に陥っている状況と日本経済へのマイナスの影響にふれ、"先進国病"を克服するために、「イノベーション」「日本人の働き方の根本的な改革」そして「教育」が重要な柱であると話されました。講演要旨は、以下のとおりです。

昨年12月のアメリカの利上げを大きなきっかけとして、中国経済の変調がそれに重なり、世界経済が大変調に陥っている。中国経済について、過剰な生産力、賃金水準の上昇及び高齢化の進展にともなって、世界の工場といわれた中国において国内需要が減少している。アメリカの利上げ、資源安・原油安に、中国経済の変調が加わって、世界経済の需要が大きく落ち込んできている。

いままで新興国に流れ込んでいた資金が、アメリカではなくて、日本に向かっている。その結果、「安心な円になだれ込む」「金利の安い円を買って、マネーゲームをやる」という事態が発生している。円安株高というのはアベノミクスの最大の売りであったが、3年間のアベノミクスの成果はほとんどなくなってしまった。

講師の萩谷順氏の写真このような中で、何をしなければならないか。それは"先進国病"の克服だ。先進国病"とは、経済成長がストップすること、少子高齢化が進行すること、社会保障・社会福祉支出が増大することだ。その結果、社会保険料と税金では賄いきれなくなり、国債が発行されて膨大な借金の山ができる。

日本はそれが1千兆円を超えてしまった。経済政策の二つの潮流に「大きな政府」と「小さな政府」があるが、"先進国病"の克服にはこのどちらもダメだ。論理的には経済成長をすることによって、国民生活を傷めずに財政再建も実現できるわけで、これがアベノミクスの考え方だ。

このことをどうやって実現するか、重要な三本の柱は「イノベーション」「日本人の働き方の根本的な改革」そして「教育」だ。一番大事なのは、「日本人の働き方の根本的改革」である。イノベーションとは、「新しいアイデアから社会的意義のある新しい価値を創造し、社会的な大きな変化をもたらすこと」で、大事なのが「自発的な人・組織・社会の幅広い変革を起こす」ということ。

「日本人の働き方の根本的改革」とは、同一労働・同一賃金を実現するために一番大事なのは、「労働時間を賃金の算定の基礎にすること」から「成果を賃金算定の基礎」に変えなくてはいけないということ。勤勉さを測る「国際標準」は労働生産性。報酬の基準を労働時間から成果に変えることだ。もう一つ乗り越えなければいけないのが、就職における新卒一括採用をやめなければいけないこと。そのためには、労働者側も使用者側も労働について意識の根本的な変革が必要だ。

講演会の内容は、自治研ちばvol.20(2016年6月発行予定)に掲載を予定しています。

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 2016年自治体政策フォーラムを開催(2016/01/25)

1月25日の自治体政策フォーラムの模様

 1月25日、自治労千葉県本部と千葉県自治研センターの共催で「2016年自治体政策フォーラム」が、自治労推薦・自治研センター会員の地方議員、自治労単組代表者を対象にオークラ千葉ホテルにおいて開催されました。

主催者あいさつに立った自治労千葉県本部の椎名委員長は、全国の自治体の非正規労働者が70万人、自治体職員の40%に達している等の現状や自治労の掲げる政策に触れながら、参加した議員と一緒になって自治体改革を取り組む決意を述べました。  今回のフォーラムは、三本の講演で構成されています。

講演1 自治体議員に期待する

講師の宮﨑伸光理事長の写真第1は、「自治体議員に期待する‐改めて3つの『せいとうせい』から自治体議会の改革を考える」と題して、法政大学教授で千葉県自治研センターの宮﨑伸光理事長が講演。

宮﨑理事長は「昨今の世情を眺めると、ポピュリズムの危険性を感じる。3つの『せいとうせい』とは、①法治主義・立憲主義に則ってきちんとした手順を踏むことが規範力の源泉となる正統性、②法律の範囲内で条例を制定でき、法律の空白部分における条例制定ができるという正当性、③多数決が絶対ではないという政党制、を指す。自治体改革を考えるうえで、3つの『せいとうせい』を維持強化することが必要」と説明。最後に、とげとげしくギスギスした昨今だからこと、法秩序の守護者たる議会の役割を期待したいと結びました。

講演2 2016年度地財計画と地方財政

第2は、「2016年度地財計画と地方財政」と題した、前地方自治総合研究所研究員の高木健二氏の講演。冒頭、高木氏は2015年度の補正予算(3兆3213億円)にふれ、講師の高木健二氏の写真「そのうち、『1億総活躍社会』の緊急施策(1兆1646億円)では、約1100万人を対象に『年金生活者等支援臨時福祉給付金』3624億円を計上し、1人当たり3万円の現金を配る(給付は2016年4月以降)。これは、消費税の軽減税率1兆円と合わせて、本年夏の参議院選挙対策以外の何物でもない」と指摘。

2016年度地方財政計画の規模は、85兆7700億円(前年度比+5000億円)となり、微増とのこと。高木氏からは、地方財政計画の歳入・歳出の詳細にわたり説明がありました。以下にポイントを記載します。

1 給与関係費は、人事委員会勧告等により地方公務員給与がある程度上がる。しかし、義務教育教職員をはじめとした地方公務員の定数が削減され、また、非正規職員化が進むことにより、給与関係費は辛うじて前年度比で減額を免れている状況となっている。

2 東日本大震災復旧復興事業の復興予算が、毎年度膨大な「不用額」「繰越金」、低水準の「執行率」となっている。被災地の地方自治体職員等の人員不足により、復興計画の策定等の業務が停滞している。被災自治体では、被災以前から、地方公務員を大幅削減し、非正規職員に置き換えてきたことを早急に転換し、復興に必要な人材確保に取りくむ必要がある。

3 地方単独事業費として「まち・ひと・しごと創生事業」1兆円が、2017年度も引き続き計上された。この「まち・ひと・しごと創生」の長期ビジョンと総合戦略の「基本目標」には、「地方における安定雇用を創出する」ための「主な施策」として掲げている「地域産業の競争力強化」などの迂遠な施策ではなく、「若者雇用対策の推進・正社員実現加速」を最優先課題にすべきだと考える。

4 東京都などの不交付団体の水準超経費の動向からみて、不交付団体の地方税の再分配がもっと問題視されてしかるべき。東京への一極集中による税等の集中の是正は、東京都などの税を取り上げ、勝手に国税化するような「自主税源の簒奪」、「自主課税権の侵害」、「地方自治の否定」の安易な政策ではなく、中央政府各省庁の徹底的な分権・分散政策を根本から打ち出すことが必要だ。

講演3 安倍政権と日本の政治の行方

講師の野田佳彦氏の写真最後は、前総理大臣・衆議院議員の野田佳彦氏による「安倍政権と日本の政治の行方」と題した講演です。

野田氏は、冒頭、安倍政権の最も本質的な問題は、昨年の解釈改憲、臨時国会を開催しなかったことなどから、立憲主義に反する、憲法をないがしろにする政権である。一日も早く、退陣させなくてはいけないとの認識を示しました。

また、子育て世帯を対象に2015年度3千円、2014年度1万円を支給していた臨時特例給付金について、財源難を理由に廃止したが、その代わりに出てきたのが住民税非課税世帯の65歳以上に3万円を支給するというもの。住民税非課税世帯には若い世代もいるが、なぜ若い世代をはずすのか。投票率の高い高齢者にのみ支給するというのは、選挙目当てのバラマキの局地と批判しました。

厚生労働省の統計調査を見ても、格差は間違いなく拡大している。子供の貧困は6人に1人に達しており、きちんとした分配が行われていない。アベノミクスも幻想だということがはっきりしつつある。雇用が良くなった、株が上がったと手前味噌な宣伝をするが、GDPはこの3年で平均0.9%なのに比べ、民主党政権時代の3年3ヶ月が平均1.7%だったのを見れば明らか。国が社会保障のセーフティネットを張って下支えをし、雇用を安定させることの方が経済の好循環につながる。

野田氏は「分配こそが民主党の成長戦略」と言い切り、おこぼれ理論の自民党との違いを鮮明にさせるべきと述べ、講演を終えました。

「『地方創生』と地方自治」講演会の開催(2015/06/13)

6月13日の講演会の模様

千葉県自治研センター主催の講演会が、6月13日(土)に千葉県教育会館の会議室において開催されました。

今回は、読売新聞東京本社編集委員の青山彰久氏をお招きし、「地方創生」と地方自治-地に足をつけて考える-を演題として、現地取材を通じた農山漁村で力強く生き抜く人々の生活実態を踏まえた、人口減少社会の政策の在り方等について、幅広い貴重なお話を伺いました。

青山氏は、増田寛也元総務相が関わる日本創生会議が消滅自治体リストを1年前に公表したのを受けて、高知県大豊(おおとよ)町の「限界集落」を取材して記事にまとめました。講師の青山彰久氏の写真大豊町は愛媛県と徳島県との県境に位置し、吉野川支流から急坂を上った標高600メートルの傾斜地に集落が広がっています。人口は4400人で85の集落のうち限界集落が7割ありますが、平成に入って消えた集落はないとのことです。

集落が強靱だったのは人口の2割強を占める昭和一けた生まれ世代の力であり、人々が町を出ても残って耕し続けたこの世代が集落を守ってきました。しかし、現実を直視すると、昭和一けた世代がすでに全員80歳を超え、この世代を失えば、強靱だった集落も終焉の時を迎える所もでてしまうかもしれません。

表情豊かな国土を維持することの大切さを見つめ直さなければならない。農山漁村を切り捨てれば、都市も亡びると青山氏は警鐘を鳴らしています。

また、政府が進めようとしている「地方創生」の手法について、地方分権と逆行しており、最も重要な住民参加がなくなるのではないか、「頑張る地方を応援する」という政府のメッセージは勝ち組・負け組をつくることにつながるのではないか、等が懸念されています。

「地方消滅論」に惑わされず、国の提示する政策の「質」を見極めて選択し、地域現場に根ざした総合政策をつくることの必要性が語られました。

集会の内容は、自治研ちばvol.18(2015年10月発行予定)に掲載を予定しています。

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 在宅医療・介護の第1回シンポジウム開催(2015/02/07)

2月7日のシンポジウムの模様

2月7日、連合千葉議員団会議の主催で調査研究事業第1回シンポジウム(共催:千葉県地方自治研究センター)が千葉県教育会館大ホールで開催されました。

今回のシンポジウムは、連合千葉議員団会議と地方自治研究センターが共同して2014年9月から2カ年にわたり取り組んでいる、在宅医療等研究会(福祉、防災、地域活性化の3分科会で構成)の調査研究活動の中間報告の場として企画されました。

シンポジウムは、網中肇県議(千葉市中央区)の司会で開会。連合千葉議員団会議の会長の天野幸雄県議(千葉市稲毛区)の主催者あいさつの後、三瓶輝枝市議(千葉市花見川区)、宮間文夫市議(大網白里市)、湯浅止子市議(市川市)の三氏から各地域の医療・介護の現状と取り組みが報告されました。

基調講演の講師の秋山正子氏の写真その後、秋山正子氏(NPO法人白十字在宅ボランティアの会理事長)から「地域で生き生きと暮らし続けるために-在宅医療を考える」と題した基調講演が行われました。訪問看護師として20年余にわたり在宅ケアに携わった実践に基づいた貴重なお話をうかがいました。まず、秋山氏は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目前にひかえ、日本の医療・介護制度が大きく変わろうとしていることにふれました。

これまでの総合病院を中心とした医療・介護の在り方から、かかりつけ医などの医療機関、在宅看護・介護スタッフ、介護支援施設等の地域のつながりをベースに在宅ケアを中心とした医療・介護への在り方、いわゆる地域包括ケアシステムへの転換が進められていることを説明。このシステムを構築することについては、まさに地方自治そのものだが、すでに地域の取り組みに強弱があり、地域差が生じているとのことでした。 国民の8割が病院で亡くなっている今の日本。たとえ、病院に入院しても、できるだけ短期間で地域で戻り、住み慣れた自宅や介護施設等、患者が望む場所での看取りができるまちづくりの必要性が述べられました。

講演の後段には、NHKプロフェッショナル仕事の流儀「訪問看護師・秋山正子」のDVDを放映。秋山氏が携わった訪問看護の事例-6年間入院していた難病患者の退院支援、認知症状の進行・うつのある独居高齢者の支援等-、高齢化の進んだ都内の団地で開設した「暮らしの保健室」を紹介しながら、その人らしく暮らした生活の場での人生の終わりをどう支援するか、重装備にならずに終末期を過ごすにはどうしたらよいか、等についてわかりやすく話していただきました。

コーディネーターの宮﨑伸光氏の写真 パネラーの土橋正彦氏の写真 パネラーの天野行雄氏の写真

パネラーの石井宏子氏の写真 パネラーの鏡諭氏の写真

シンポジウムの後半は、県内で活動する、医師、研究者、地方議員などによるパネルディスカッションを開催。コーディネータは当自治研センター理事長の宮﨑伸光氏(法政大学教授)がつとめ、パネラーの土橋正彦氏(千葉県医師会副会長)、天野行雄氏(議員団会議会長)、石井宏子氏(千葉県議会議員・君津市)、鏡諭氏(淑徳大学教授)からそれぞれ報告をうけました。会場からの質問には、コメンテーターの秋山正子氏が受け答え、講演内容の理解を補強。パネルディスカッションの終わりに、鏡諭氏は、医療・介護をコーディネートできる人材がいる地域は取り組みが進むが、そのような人材はそれほど多くない。身の回りのことに対して「気づき」が大切であり、地域での連携・工夫によって課題を一つ一つ解決していくことが必要と指摘しました。

 シンポジウムは、連合千葉議員団会議副会長の岡部順一市議(君津市)の閉会挨拶で終了しました。このシンポジウムの内容は、自治研ちばvol.17(2015年6月発行)に掲載を予定しています。

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 首都圏の自治研センターが指定都市・中核市の財政課題等を取りまとめ(2014/10)

「当法人が常設してきた研究会に自治体財政研究会がある。2000年前後には都区財政調整制度を集中的に調査・研究し、その後は多摩地区各市の財政を分析してきた。2012年度からは、対象を東京から首都圏へと拡げ、第30次地方制度調査会での大都市制度をめぐる議論も追いながら、指定都市、中核市の課題について考察を重ねてきた。…」(東京自治研究センターの紀要「るびゅ・さあんとる」vol.14《2014年10月》より抜粋)

東京自治研究センターの呼びかけで、地方自治総合研究所、神奈川県自治研究センター、埼玉県自治研究センター、千葉県自治研究センター、葛飾自治研究センター、八王子自治研究センターのスタッフが集まり、大都市制度に焦点を当てながら、首都圏の指定都市・中核市の財政課題などについて議論を重ねてきました。この度、議論結果が東京自治研究センターの紀要「るびゅ・さあんとる」vol.14に取りまとめられました。

その紀要に、千葉県自治研究センターから主任研究員の申龍徹さんが「千葉市の財政再建化改革と市民サービスの保障」(1.05MBと題したレポートを執筆しました。千葉市の財政危機の現状、そのような事態に至った経緯と背景、財政再建の取り組み状況と今後の市政課題等について、千葉市を取り巻く概況がわかりやすくまとめられています。ご一読をお勧めします。

千葉県在宅医療等研究会キックオフ集会開催(2014/09/27)

9月27日の千葉県在宅医療等研究会キックオフ集会の模様

9月27日連合千葉議員団会議と共同にて在宅医療、防災、地域活性化をテーマに研究を行う標記集会を開催しました。連合千葉議員団会議とは3年前、少子化対策と地域医療をテーマに研究会を開催し、冊子も出版しましたが今回はその第2弾です。今回の集会を出発点にして約2年間にわたり研究事業を行う予定です。

今回は淑徳大学の鏡諭先生の基調講演で「社会保障の変容とコミュニュティ」と題した講演を受けたあと、福祉、防災、地域活性化の3分科会に分けて討論を行いました。来年2月7日には研究の中間報告を兼ねた集会も予定しています。

 第9回千葉県地方自治研究集会を開催(2014/09/20)

9月20日の自治研集会の模様

9月20日、第9回千葉県地方自治研究集会が千葉県教育会館で開催されました。自治労千葉県本部の椎名衛委員長並びに千葉県地方自治研究センターの宮﨑伸光理事長から主催者あいさつの後、さっそく2本の職場自治研活動のレポート報告がありました。

レポート報告ののち、法政大学の杉田敦教授から「暴走する権力と民主主義」と題した基調講演が行われました。国家秘密保護法の制定や憲法解釈変更による集団的自衛権の閣議決定など、まさに「暴走する」という言葉がぴったりあてはまる安倍政権。 講師の杉田敦先生の写真杉田先生は「このような動きは、バブル崩壊後の1990年代の政治改革あたりから強まった。この政権の特徴として、権力を扱う作法をわきまえず、安全装置なしの粗雑なやり方で物事を進めていること、『決められる政治』を希求する方向に世の中の流れが傾きつつある中で権力を集中させることがあげられる」と指摘。このような国家主義と強権的な手法に対して、自由民主主義(立憲デモクラシー)の立場からの反撃を対抗軸として、暴走をストップさせることの重要性が触れられました。

宮﨑伸光理事長の写真

小西洋之参議院議員の写真

広瀬理夫弁護士の写真

基調講演をうけてのパネルディスカッションは、宮﨑理事長(千葉県自治研センター)の司会で進行。パネラーとして、国会質問で安倍首相を鋭く追及している小西洋之参議院議員、「再び戦争をさせない千葉県1000人委員会」のメンバーでもある広瀬理夫弁護士、基調講演の杉田先生の3名から、国会内の状況、千葉県内の取り組み等の報告を交えながら、さらに理解を深め合いました。

集会の内容は、自治研ちばvol.16(2015年2月発行予定)に掲載を予定しています。

銚子市職労と我孫子市職がレポート発表

今回の自治研集会では、レポートがふたつ報告されました。 ひとつが、銚子市職労が東日本大震災の経験を風化させまいと実施をしたアンケート調査です。大震災によって、少なからぬ津波被害があった銚子市ですが、市職員並びにOB等を対象に2013年4月~6月にかけて第1次アンケート調査を実施。2013年9月に「語り継ぐために」という報告書にまとめ、さらに2014年2月~5月にかけて第2次調査を行い、今回の報告となりました。

もうひとつが、我孫子市職がまちづくりへの参加をめざして関わった手賀沼ふれあい清掃の取り組みです。2010年11月に開催された第33回地方自治研究全国集会(名古屋市)の参加者が、全国で取り組まれている自治研活動に触発されたのがきっかけとのこと。組合員の間にも参加が徐々にではありますが、広がっているとのことでした。自治労千葉県本部は、本年11月の自治研全国集会(佐賀市)で、この2つのレポートの発表を予定しています。

自主レポート等の詳細はこちらからご覧になれます。

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 講演会を開催「原発避難者の生活再建へ」(2014/6/14)

6月14日の講演会の模様

東日本大震災から3年が経過しました。福島県では地震・津波の被害のほかに、原発事故にともなう避難が今も続いています。今回の講演会では、福島大学の今井照教授から「震災復興から地域再建へ~原発避難と『移動する村』~」をテーマに、避難の実態、避難者に対してこれから降りかかろうとしている政策的災害の状況、江戸時代に実際に存在した「移動する村」からヒントを得た「多重市民権」という新しい政策制度を設計する必要性などについて、丁寧に話をしていただきました。

福島県の面積は東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県を合わせた広さに匹敵し、2014年3月現在、福島県民の避難者約13万2千人のうち、避難区域(2市9町村)からの避難者は約83,900人に及んでいます。原発事故の避難者にとって、「事故の終息」とは元の地域に住民が戻ることを意味します。しかし、放射性物質の完全除染がむずかしい現状では、「帰りたいけど帰らない」という熟慮の末の選択をせざるを得ない多くの避難者が存在していると、今井教授は指摘しています

講師の今井照先生の写真

2014年4月1日から避難区域の一部が避難解除となりましたが、元の地域に帰っているのは対象者の1~2割にとどまっています。今後、避難解除が順次行われるようになります。現行の制度の取り扱いでは、避難解除となった瞬間に「帰りたいけど帰らない」避難者は、「勝手に避難している。勝手に仮設住宅に住んでいる」とみなされ、このままでは住まいを失うなど明日の生活を脅かされるという、いわゆる政策的災害が避難者に襲いかかろうとしています。

今井教授は、これらのことの解決策として、被災者が息をひそめて「避難」している構造を打開し、喫緊の課題として「住まいの再建」にむけた賠償と長期的課題としての政策制度設計(多重市民権)を提案しています。いままでの自然災害とは違い、復興までに数十年以上の長い期間を要する原発災害については、自然災害を対象とした現行の災害対策制度では対応しきれない状況が生まれようとしています。一刻も早い、原発避難者の生活再建にむけた新たな制度の確立と対策が求められています。

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 2014年度自治体フォーラムを開催(2014/5/22)

自治体フォーラムの模様

5月22日(木)の午後、千葉県地方自治研究センター主催、連合千葉議員団会議後援の「自治体政策フォーラム」が開催されました。今回の自治体政策フォーラムは、県内の自治体議員の皆さんを対象として開かれ、20名の議員が参加しました。

地方自治を取り巻く環境は大きく変化しており、人口減少や財政悪化の中、難題が山積する自治体政策を切り拓くために欠かせない専門知識が必要とされています。この政策フォーラムは、自治体議会の政策形成と地方財政分析を取り上げ、自治体議員としての政策形成力向上を図るために企画されました。

連合千葉議員団会議の佐々木久昭会長の写真

主催者の高橋秀雄さん(当センター副理事長)の挨拶で開会し、後援して頂いた連合千葉議員団会議会長の佐々木久昭さんから挨拶がありました。 宮﨑伸光さん(当センター理事長、法政大学法学部教授)の第1講演では、「自治体の政策形成と自治体議会の専門性」をテーマに1時間程度の講演をして頂きました。講演の中では、分権改革の進行に伴い自治体議会に求められている政策形成の力をいかにして確保するのか、そのためには何か必要なのかについて、事例紹介がありました。

次の第2講演では、地方財政分析の専門家である高木健二さん(公益財団法人地方自治総合研究所前研究員)から「財政分析から見える千葉県自治体の政策課題」を題に、地方財政の仕組み、地方交付税の算定基準などの制度説明がありました。また、県内54団体の決算カードが収録されたフォーラム資料集を活用し、千葉県・千葉市の決算カードを例に取り上げ、用語の意味や数字が意味する内容など、決算カードの読み方を学びながら、財政分析から自治体の政策課題を抽出する高度かつ専門的な解説がありました。

2つの講演の後、約40分間にわたって2人の講師に対する質疑応答がありました。参加された議員の皆さんからは、地方交付税のあり方、不交付団体が交付団体になった場合の対策、議会討議のあり方のほか、日頃の議会活動・経験から感じた疑問点など、たくさんの質問、意見があり、活発な議論となりました。また、こうした専門的な議論を今後の議会活動に役立てていきたい、新たな知識を充電する場として続けてほしいなどのご要望を頂きました。

参加者と講師の皆さんで記念撮影

当センターは、住民が主役となる地方自治の活性化に向けて、議員の皆さんのご意見・ご提案を頂きながら、今後とも良い企画を考えていきますので、ご協力をお願いします。 参加された議員の皆様、誠にありがとうございました。

「戦後千葉県労働運動史」を無料贈呈します

移管された書籍の写真千葉県労働者福祉協議会が管理していた労働関係の書籍が当研究センターに管理移管されました。移管された書籍のうち「戦後千葉県労働運動史」の残部がありますので、必要とされる方に無料(送料は負担していただきます)にて頒布いたします。当研究センターまで連絡いただければ、送付いたします。


<連絡先> 一般社団法人千葉県地方自治研究センター  電話 043(225)0020 FAX 043(225)0021

 高齢者介護めぐって講演会とパネル討論(2014/2/15)

講演会とパネル討論の写真

前日からの大雪は降りやんだものの、雪の残る肌寒い2月15日。当センターと自治労千葉県本部共催の講演会が、当初の予定どおり千葉県教育会館で開催されました。今回は、千葉県における高齢者介護の現状と課題に焦点を当てながら、講演とパネルディスカッションが行われました。

はじめに、当センター理事でもある結城康博氏(淑徳大学教授)が、「高齢者を取り巻く地域力の可能性と限界~孤独死防止対策から見えるもの~」と題して講演を行いました。

講師の結城康博先生の写真

結城氏は「2010年と2025年の65歳以上人口を比較して、その増加率のトップは沖縄県だが、2位が埼玉県、3位が千葉県、4位が神奈川県と続いている。上位を占めている首都圏3県の中にあって、介護支援体制が一番遅れているのが千葉県。そして、千葉県の中でも、都市化が進んでいる松戸、柏、市川、船橋市をはじめとする東葛地域は独居高齢者が増えており、孤独死も多い。今後が心配される」と高齢化の現状を説明しました。

また、社会保障をになう仕組みについて「社会保障の考え方に自助(本人)・互助(家族や地域)・共助(社会保険)・公助(福祉制度)があるが、現状では自助・互助機能が低下してきている。2015年に介護保険法改正が予定されているが、介護費用の増加を理由に介護保険サービス(共助)も縮小傾向にある。福祉制度(公助)を担うべき自治体は福祉専門職の不足等で現場力は低下している」とし、互助・共助・公助を強化していくことの必要性が指摘されました。

パネラーの皆さんの写真

講演後、当センターの申主任研究員をコーディネータに、パネラーとして東出健二さん(自治労千葉県本部退職者会会長・ケースワーカー)、大塚美知雄さん((有)トータル介護サービスアイ代表取締役)、講師の結城教授にも加わってもらい、パネルディスカッションを行いました。東出さん、大塚さんからは独居高齢者・認知症患者の増加等にともない深刻さを増す介護現場の実態が報告されるとともに、脆弱さを増す公的介護制度への危惧と介護支援体制の強化が話されました。

今後ますます深刻化する介護を取り巻く状況の中で、改めて千葉県の地域力(互助)を高めていくことの重要性が浮き彫りになった講演会でした。

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自治研センター講演会(2013/10/26)を 中止しました

10月26日(土)に開催を予定していました当自治研センター主催の講演会につきましては、大型台風の接近による交通機関の混乱や自治体職員の待機業務等が想定されるため、中止いたしました。

 「地域医療と少子化対策」事業報告会(2013/6/22)

「地域医療と少子化対策」事業報告会の写真

6月22日、連合千葉・議員団会議の主催で標記の報告会が議員団会議の各級議員の皆さんの参加のもとオークラ千葉ホテルで開催されました。「地域医療と少子化対策」の調査研究事業については、2年前に連合千葉・議員団会議が千葉県地方自治研究センターに委託したもので、淑徳大学の結城康博教授を中心とした研究会のメンバーによってその活動が進められてきました。そのまとめとして、本年4月に「医療なくして子育てできず」という冊子を発刊しました。今回の報告会は、研究会メンバーによる講演とパネルディスカッションという形式でその研究成果が発表されました。

議員団会議の佐々木久昭会長の主催者あいさつの後、「昨今の地域医療政策の課題」と題して結城教授が講演。「地域医療と少子化対策」報告書の構成・概要の説明ののち、全国ワースト5~10に入る千葉県の医療の実態の報告や少子高齢化の中での医療の在り方についてお話がありました。

パネルディスカッションの様子

結城康博教授(右)と仲本未央准教授(左)
結城康博教授(右)と仲本未央准教授(左)

もう一つの講演は淑徳大学准教授の仲本未央氏が「病児・病後児保育の課題」というテーマで行い、病児・病後児保育事業の経緯、現状や課題について、東京・千葉の施設の調査を交えながら報告されました。

第二部のパネルディスカッションは、コーディネータに結城教授、助言者に仲本准教授、研究会メンバーの4人の議員(県議会議員:石井宏子、天野行雄、網中肇、市議会議員:加瀬庫蔵<銚子>**敬称略**)の皆さんをパネーラーとして、障がい児医療、医療従事者のワークライフバランス、地方財政と医療、銚子の地域医療について報告とディスカッションが行われました。

医療に関してはそれぞれの地域で抱えている問題があり、会場からいろいろな角度から質問・意見が出されました。今回の研究成果が、千葉県の医療問題の解決に役立てられることを期待します。

 「安倍政権と地方行財政改革の行方」テーマに講演会を開催(2013/6/15)

「安倍政権と地方行財政改革の行方」テーマの講演会の写真

昨年12月に政権が再交代し、第二次安倍内閣が発足しました。今回、安倍政権の打ち出した政策が地方行財政にどのように影響を及ぼしているのか等について、神奈川県地方自治研究センターの上林得郎理事長に講演をお願いしました。

上林先生は、「2013年度行財政計画から見えてくるもの」「アベノミクスと地方財政」「道州制基本法と動向」等を中心に、多方面な課題に触れ、示唆に富んだお話をされました。

講師の上林得郎先生の写真

<講演要旨は以下のとおりです>

安倍政権が国家公務員給与の7.8%カットを地方に押し付けるために、政府に従う地方自治体には地方交付税を加算する措置をとろうとしている。しかし、そのことは、条例で給与を決めるという地方の自主性を否定することはもちろんのこと、全国どこの自治体でも同じ事業ができるようにするために、財源の不足する自治体に支出するという地方交付税制度の本旨をも逸脱している。

また、民主党政権時に「ひも付き補助金は地方自治を侵害する」という地方からの強い声を受けて一括交付金制度を創設されたが、その一括交付金制度を2013年度予算から廃止した。安倍政権になって地方分権が進むかという点からいうと、否定的な見解を述べざるを得ない。

アベノミクスの三本の矢といわれる「大胆な金融緩和」「機動的な財政政策(公共投資)」「民間投資を喚起する成長戦略」が進行している。エコノミストによって評価が両極端に分かれるが、すでに金融の暴走が始まっており、大規模な金融緩和は財政規律を保てないのではないか。

国土強靭化基本法が国会で審議されている。巨大災害に備えるという誰も反対できない大義名分を掲げているが、土木国家への逆戻りが懸念される。むしろ老朽化したインフラの長寿命化、公共施設の再編が急務である。

道州制基本法を議員立法で国会に提出しようという動きがある。そもそも「何のための道州制か」ということが判然としていない。道州制に対する、国民並びにそこに住んでいる人の合意を得ることは相当むずかしいと思われる。3000万人が住む首都圏をどうするかを考えてみても、難問が山積している。

アベノミクスもそうだが、経済成長がすべてを解決してくれるという発想は時代にそぐわないのではないか。人口減少、とりわけ65歳未満の生産年齢人口が急減していく状況下ではそう考える方が自然だと思う。これからは、IT等の知的産業へのシフト、福祉・教育等の人によるサービス(現物サービス)の拡充が重要だと考えている。

足元の悪い中、講演会に参加いただきました皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。なお、今回の講演内容は、本年10月に発行予定の自治研ちばに掲載されます。

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**新理事長に宮﨑伸光氏を選出**理事会・定期総会を開催

新理事長の宮﨑伸光氏の写真

6月15日の定例講演会に先立って、千葉県教育会館において理事会並びに2013年度定期総会を開催しました。2012年度事業報告、2012年度決算、2013年度事業計画、2013年度予算案が満場一致で承認されました。

また、4月22日に急逝された井下田猛理事長の後任として、当センター副理事長・法政大学教授の宮﨑伸光氏を新理事長に、新理事(事務局長)に宮原一夫氏を選出し、終了しました(役員一覧はこちら)。

「限界労働」に近づく非正規公務員-急がれる処遇改善-自治研センター講演会を開催(2013/02/16)

「非正規公務員」テーマの講演会の写真

2013年2月16日、地方自治総合研究所の上林陽治先生を講師にお招きし、「非正規公務員」-公共サービスの再生のために-と題して、講演会が開催されました。

全国の公務職場の実態調査に関わった上林陽治先生によると、全国の「非正規公務員」は70万人(2012年自治労調査)。民間職場と同様に「3人に1人」が非正規公務員となっています。

講師の上林陽治先生の写真

職種別にみると、学童指導員の92.8%、消費生活指導員の86.3%、図書館員の67.8%、保育士の52.9%、学校給食調理員の64.1%、学校用務員の52.0%、は非正規。もはや、非正規公務員を抜きにしては、公共サービスは維持できない状況といえます。

上林先生の経験から、非正規保育士比率が5割を超えると、非正規保育士がクラス担任を受け持つといいます。

そのような実態にも関わらす、年収は200万円を下回る低賃金に据え置かれ、その業務は年々過重に。また、公務職場の非正規公務員は、「4つの偽装、3つの格差」にさらされ、民間職場以上に厳しい状況に置かれています。公共サービスは非正規公務員の献身的な労働で何とかもちこたえていますが、いまや「限界集落」ならぬ「限界労働」ともいわれています。

解決の第一段階は、まず労働組合に加入してもらい、非正規公務員がかかえる課題を労使共通の課題とすること。暗くならないで、前向きに明るく取り組むことの大切さをやさしく語りかける上林先生のお話が印象的でした(講演内容は、本年6月発刊の「自治研ちばvol.11」に掲載を予定しています )。

今年一番の寒波にもかかわらず、参加いただいた皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

※参考図書として、「非正規公務員」(上林陽治著)が日本評論社から出版されています。

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 夕張の鈴木直道市長の講演と対談-第8回千葉県地方自治研究集会を開催(2012/09/22)

第8回千葉県地方自治研究集会の写真

2012年9月22日、第8回千葉県地方自治研究集会が、夕張市の鈴木直道市長をゲストに招いて、開催されました。

集会は、主催者として自治労千葉県本部の椎名衛委員長と千葉県地方自治研究センターの井下田猛理事長があいさつ。その後、神崎町職労の秋元書記次長から、自治労千葉県本部と千葉県自治研センターが共同で進めている神崎町財政分析等研究会の活動が報告されました。

熱く語る夕張の鈴木直道市長の写真

講演では、市長選挙に立候補した経緯、財政破綻した夕張市の現状、再生に向けた取り組みについて、夕張再生に人生をかけるという鈴木市長が熱く語りました。埼玉県出身の鈴木市長は、周囲の反対を押し切って東京都庁を退職し、2011年4月の統一地方選挙で夕張市長に30歳の若さで初当選しました。

しかし、かつては炭鉱の町として栄えた夕張も、最盛期10万人の人口は現在1万4百人に減少。65歳以上の高齢者と15歳未満の子どもの割合がそれぞれ44.8%、6%と、少子高齢化に苦しんでいます。膨大な借金を抱えている中で、給料4割カットということもあり、309名いた市職員は146名へ半減。

このような困難な中でも、市政改革、市民対話、東京都との連携、国・北海道庁との協議などを通して夕張再生をエネルギッシュに進めていることが話されました。

第二部では、法政大学時代の恩師であり、千葉県自治研センターの副理事長の宮崎伸光教授と鈴木市長が対談。宮崎先生のリードで、鈴木市長の講演内容の理解がさらに深まるものとなりました。

「これ以上、財政再生団体を出してはいけない」という鈴木市長の講演の最後の言葉から、千葉県での地方自治の調査研究活動の重要性を再認識させられた集会でした。鈴木市長の講演内容は、来年2月発刊の「自治研ちばvol.10」に掲載を予定しています。

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 「地域医療と少子化対策を考える」講演会とパネルディスカッションを開催(2012/08/01)

地域医療と少子化対策を考える」講演会とシンポジウムの写真

8月1日、連合千葉推薦議員団会議の主催で表記の講演会とパネルディスカッションが、千葉県労働者福祉センターにおいて開催されました。今回の催しは、千葉県地方自治研究センターが連合議員団会議から千葉県の地域医療の調査・研究を委託されたことを受けて、その中間報告の場として設定されました。

連合千葉議員団会議会長の佐々木久昭千葉市議会議員の写真

連合千葉推薦議員団会議の佐々木久昭会長の挨拶、淑徳大学准教授の結城康博氏より今回の研究の概要報告の後、早速3人の講師から講演がありました。小児科医の黒木春郎氏は、地域医療を立て直すために「不要不急な時間外診療等を減らし、医師をはじめとした医療従事者がやりがいを持って働き続けられる医療現場にしていくことが大切」「現場をよく知る専門家による大学医学部での地域医療教育を充実させて学生を育てる」「小児医療におけるワクチンの計画的接種が重篤な症状を減らす」等が述べられました。

保育所利用者の立場から、清和大学短期大学部准教授の上村麻郁氏から「病児・病後児保育について」、また、救急救命士の立場から「救急隊の搬送における問題について」それぞれ報告と問題提起がされました。その後のパネルディスカッションでは、参加された県内の市町村の議員の皆さんから、3人のパネラーに対して、様々な多くの質問・発言が寄せられ、地域医療や少子化対策への関心の高さがうかがわれました。

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 東庄町の岩田町長と井下田理事長が対談(2012/07/25)

東庄町の岩田町長と井下田理事長が対談

7月20日、銚子市に隣接する東庄(とうのしょう)町を訪問し、岩田利雄町長と井下田理事長の対談形式で東庄町の現状や抱える抱える課題を中心にお伺いしました。

対談は、東庄という町名の由来から始まり、町の基幹産業である農業の活性化と後継者をどのように育てていくか、進む高齢化の中で国保東庄病院を中心とした予防医療の充実をいかにはかるか、平成の市町村の大合併の動きの中での東庄町の選択した方向、など多岐にわたりました。

千葉県の町村会会長を務め、本年4月からは全国町村会の副会長に就任した岩田町長。幅広い経験の中からエネルギッシュに町政の今後の発展について語っていただきました。本年10月発刊の「自治研ちばvol.9」に対談内容の掲載を予定しています。

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「大阪都構想の現状」テーマに講演会開催(2012/06/16)

大阪都構想の現状と問題点をテーマにした講演会

6月16日、大阪市政調査会の会長で奈良女子大学名誉教授の澤井勝先生を講師にお招きして、「大阪都構想の現状-橋下市政の6ヶ月-」をテーマに、講演会を開催しました。

現地の大阪で研究活動をしている澤井先生は、昨年12月19日に就任以来、橋下徹市長が進めてきていることを以下のようにまとめています。
第一は大阪府と大阪市の主に広域行政権限の統合・再編、指定都市権限の府への集中。
第二は民営化・市場化・競争原理の活用の推進。
第三には行財政改革と「新しい区移行」をにらんだ市政改革、その先に8から9の区割りで指定都市を「中核市」なみの基礎自治体に分割。
第四に教育基本条例を中心とする教育改革。
第五に対職員、労組対策であり職場規律を成果主義と懲罰システムでつくろうとするもの。

講師の澤井勝先生

そして、「前の二つはサッチャー以来のプライバタイゼイション、市場原理主義の徹底の流れであり、第4の教育改革はこの流れと日の丸掲揚時の起立と君が代斉唱を職務命令として順守させる流れとの合作といえる」と指摘しました。

今後の動きについて、「大阪の地域特性もあり、大阪都構想はそう簡単に事が運ぶとは思えない。しかし、橋下市長に対する大阪での支持は高く、地域福祉や文化活動への助成の削減、公募区長の導入などにより市政改革は相当に進むと思われる。また、対職員、労組対策として種々のことが行われようとしているが、全国への波及が懸念される」等、大阪で起きていることが一過性のものではなく、引き続き注視していく重要性が述べられました。この講演内容は本年10月発刊予定の「自治研ちばvol.9」に掲載されます。

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第4回総会で全議案が承認されました(2012/06/16)

全会一致で全議案が承認された第4回総会

6月16日、講演会に先立って、千葉県地方自治研究センターの第4回定期総会が開催されました。井下田理事長の挨拶の後、自治労千葉県本部の椎名衛委員長と若井康彦衆議院議員が来賓挨拶。提案・報告された事業報告、決算、事業計画、予算、監査報告、役員体制、のすべての議案が全会一致で承認されました。


千葉市長を交えて大都市問題等で対談実施(2012/03/29)

熊谷市長と対談する佐藤草平氏と網中肇県議

3月29日、千葉市の熊谷市長をゲストに大阪都問題、大都市制度の諸問題などについて、対談を行いました。対談相手として、東京地方自治研究センターの佐藤草平研究員、司会を網中肇県議会議員にお願いしました。若いフレッシュで斬新な対談となりました。対談内容は6月発行の「自治研ちばvol.8」に掲載されています。

「巨大地震と液状化」で定例講演会を開催(2012/02/18)

講演会の写真

2月18日、千葉県労働者福祉センターにおいて自治研センター主催の定例講演会を開催しました。「科学性無視の巨大広域開発への警鐘-巨大地震が物語った液状化・流動化・地波(ちなみ)現象と津波」と題して、筑波大学名誉教授・NPO法人日本地質汚染審査機構理事長の楡井久(にれい/ひさし)先生が参加した会員・市民80名を前に示唆にとんだ話をされました。 講演会の写真
楡井先生は、千葉県職員として27年間にわたり地質研究に取り組んだ経験等をもとに、東京湾の埋め立て等により液状化が発生することを当初から訴え続けていたこと、地質・地層の科学的な調査に基づいた液状化対策があまりに少ないこと、「行け行けドンドン」型ではない自然の法則・摂理を読み解き、自然とうまく付合う開発・施策の必要性、など多方面な課題に触れていました。当日の講演会の模様は千葉日報にも取り上げられました(講演会の内容は2012年6月に発行された「自治研ちばvol.8」に掲載されています)。

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神崎町の石橋町長を表敬訪問(2012/02/03)

懇談するする井下田理事長と石橋町長

2月3日、当自治研センターの井下田理事長、佐藤副理事長が千葉県神崎町の石橋町長を表敬訪問しました。今回の訪問は、2012年と13年の2ヵ年で千葉県自治研センターが神崎町の財政やまち興しに関する調査研究活動を予定しており、それに先立って行われました。井下田理事長から、今回の神崎町の調査研究活動の趣旨等について説明するとともに活動への協力をお願いしました。石橋町長から協力いただける旨の快いお話を伺いました。

茂原市の財政分析結果の報告会を開催(2011/11/14)

手交する井下田理事長と田中市長

2011年11月14日、当自治研センターの井下田理事長が茂原市の田中市長を表敬訪問しました。この間進めてきた茂原市の財政分析の調査・研究がまとまったことを受けて、茂原市の協力に対するお礼と報告を行いました(写真左)。

田中市長との会見後に行われた報告会には、茂原市職の役員、茂原市財政担当者、関好治市議らが参加しました。調査研究の指揮にあたった井下田理事長からは、様々な具体的な指標等の説明から「茂原市財政は弾力的な運営がきびしく、自由度が制約されている状況である」ことが報告されました。

また、今後の市政運営にあたって、茂原市の財政状況を広く市民に理解をしてもらい、問題意識を共有化することを通じて、昨今注目されている「新しい公共」「協同」という観点から市民とともに歩む街づくり・市政運営の重要性が問題提起されました。調査・研究にあたってお世話になりました茂原市の皆さん方に感謝申し上げます。→→報告書はこちらから見られます。

報告会参加者のみなさん

報告会に参加する茂原市の皆さん

報告する井下田理事長と井原研究員

井下田理事長(右)と井原研究員



「入札改革」テーマに定例講演会を開催(2011/10/23)

武藤博己先生

格差の広がりや、雇用情勢の悪化などによって社会不安が広まっています。市民の日々の生活を支えている公共サービスの重要性が増している中で、「入札改革、社会的価値の追求と公契約」をテーマとして定例講演会を開催しました。

野田市を先頭に全国に広がり始めた公契約条例の県内の現状について、武藤博己先生(法政大学大学院政策創造研究科教授)の講演を行うと同時に、研究者、自治体関係者、事業者が一同に介してパネルディスカッションを行いました。当日は、会場からも熱心な質問が寄せられました(定例講演会の内容は2012年2月に発行された「自治研ちばvol.7」に掲載されています)。

PDFロゴ(2011年10月の講演会) (0.34MB)

→→→→開催案内はこちらから見られます。→→


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定例講演会を開催(2011/06/18)

菅原敏夫先生

テーマ:「復興への地方財政の役割」

講師:菅原敏夫(公益財団法人地方自治総合研究所研究員)

定例講演会の内容は「自治研ちば」Vol.6に掲載されています。

PDFロゴ(2011年6月の講演会)(0.22MB)

開催案内はこちらから見られます。→→


定例講演会を開催(2011/02/12)

廣瀬克哉先生

テーマ:「問われる自治体議会のあり方」

講師:廣瀬克哉(法政大学法学部教授)

定例講演会の内容は「自治研ちば」Vol.5に掲載されています。

PDFロゴ(2011年2月の講演会)(0.37MB)

開催案内はこちらから見られます。→→


定例講演会を開催(2010/09/25)

名和田是彦先生

テーマ:「新しい公共 自治体でどう取り組むか」

講師:名和田是彦(法政大学法学部教授 )

定例講演会の内容は「自治研ちば」Vol.4に掲載されています。

PDFロゴ(2010年10月の講演会)(0.37MB)

開催案内はこちらから見られます。→→


定例講演会を開催(2010/06/19)

高木健二先生

テーマ:「2010年度の地方財政計画と千葉県の財政状況」

講師:高木健二(地方自治総合研究所研究員)

定例講演会の内容は「自治研ちば」Vol.3に掲載されています。

PDFロゴ(2010年6月の講演会)(0.06MB)

開催案内はこちらから見られます。→→


定例講演会を開催(2010/03/13)

結城康博先生

テーマ:「検証!民主党政権による社会保障政策のゆくえ-長期的ビジョンの必要性を探る-」

講師:結城康博(淑徳大学准教授)

定例講演会の内容は「自治研ちば」Vol.2に掲載されています。

PDFロゴ(2010年3月の講演会)(0.55MB)

開催案内はこちらから見られます。→→


設立記念講演会を開催(2009/12/19)

大森彌先生

テーマ:「政権交代と公共サービスの再考」

講師:大森彌(東京大学名誉教授)

定例講演会の内容は「自治研ちば」Vol.1に掲載されています。

PDFロゴ(2009年12月の講演会)(0.07MB)

開催案内はこちらから見られます。→→


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