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千葉の地域紹介

人と緑が調和し未来を拓く臨空都市 とみさと

自治研ちば vo33(2020年10月)より転載

<シリーズ千葉の地域紹介>

…富里市総務部企画課

乗馬の写真

千葉県の北総台地のほぼ中央に位置する富里市は、地勢は南北に分かれ、標高は約40~50mの台地で、根木名川・高崎川などの源となっており、肥沃な農地や自然環境の中で、首都圏近郊の優良な農業地域として発展しています。

明治22年に13か村が一体となり、"十三"と豊かな郷土にとの願いをこめた"富"をかけて命名された「富里村」が誕生しました。その後も豊かな農業地帯として発展を遂げてきましたが、昭和46年の東関東自動車道富里ICの開設や新東京国際空港(現成田空港)開港などにより、産業の活性化と人口の流入により、昭和60年に町制施行、平成14年には人口5万人の都市として市制を施行しました。

スイカの里

豊かな風土に恵まれた富里市は、全国有数のすいかの産地として知られています。 昭和8年に千葉県の農林試験場で品種改良された「都」という品種の登場から"すいか"の栽培が行われるようになり、北総台地の火山灰に適した品種であったことで生産者が増えました。昭和11年には皇室へすいかを献上したことによって全国に富里すいかの名が広まりました。

すいかの出荷の最盛期を迎える6月には、給水所ならぬ「給スイカ所」が設置される「富里スイカロードレース大会」が開催され、全国からランナーが集まり、「富里市すいかまつり」では、スイカの試食会や即売に訪れる多くの人で賑わいます。 平成27年度からはじめた、富里スイカ一株のオーナーになり収穫体験ができる「スイカオーナー制度」も好評です。

馬のふるさと

育成牧場や乗馬クラブが点在する富里市は、日本の競走馬の原点とも言える種牡馬を輸入し飼育した「サラブレッド発祥の地」でもあります。江戸時代には徳川幕府直轄の広大な牧があり、現在も市内には、育成牧場や十数か所の乗馬クラブが点在し、それぞれ特色ある馬場を有しています。歴史的な独自の馬の文化もある「馬のふるさと富里」では乗馬体験や様々なイベントで馬とのふれあいを楽しむことができます。

国登録有形文化財 旧岩崎家末廣別邸

乗馬の写真 旧岩崎家末廣別邸は、三菱財閥創業者である岩崎彌太郎氏の長男、久彌氏が晩年を過ごした邸宅です。平成25年に国の登録有形文化財として登録されました。久彌氏が大正元年に開設した養鶏と養豚を主とした模範的実験農場「末廣農場」の跡地内に残されており、本市の基幹産業である農業の近代化を物語る資料として、また、近代和風建築物としても価値の高い建物です。

末廣別邸の中心となる主屋は、久彌氏の別邸として大正末期から昭和初期に建築されたもので、設計は岩崎家の専属建築家、津田鑿(さく)によるものと考えられています。天井裏などに施された鉄板で補強した耐震構造が特徴的で、外周にガラス障子とひさしを回した外観は洗練された印象を与えます。

東屋は、数寄屋風の造りで、洋間のない主屋の機能を補う「ゲストハウス」として建築されたものと推定されます。また石蔵は、木造の骨格に大谷石を積み回し、さらに表面にスクラッチタイルを丁寧に貼り付けています。これらは大正末期から昭和期における上流階級の生活様式を垣間見ることのできる建物で、同時に久彌氏の農牧事業に関する功績を後世に伝える重要な文化財です。現在、敷地内の伐採作業や建物の修復等を行い、一般公開に向けて準備を進めているところです。

ジャズのまち富里

県内でも珍しい高校生ジャズオーケストラ部「ザ・マッド・ハッターズ」を擁する富里高校。夏の音楽祭「ジャズフェスティバルinとみさと」では、アメリカ「モントレー・ジャズ・フェスティバル」で選抜された高校生や海外のミュージシャンと共演し、20年以上開催してきた伝統があります。海外のジャズバンド大会にも招待され、多くの賞を受賞しています。また、卒業生も市内だけでなく海外でも活躍の場を広げています。

人の心と心をつなぐ、ジャズのスイング。今や富里の夏の風物詩として定着している音楽祭「ジャズフェスティバルinとみさと」にぜひお越しください。

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