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自治研ちば vol.30(2019年10月)より転載
<シリーズ千葉の地域紹介>
…成田市広報課
成田市は、千葉県の北部中央に位置する中核都市です。北は利根川を隔てて茨城県と接し、西は県立自然公園に指定されている印旛沼、東は香取市と接しています。
市の西側には根木名川、東側には大須賀川が流れ、それらを取り囲むように広大な水田地帯や肥沃な北総台地の畑地帯が広がっています。北部から東部にかけての丘陵地には工業団地やゴルフ場が点在し、南には日本の空の玄関口・成田国際空港があります。 また、市の中心部である成田地区は、平成30年に開基1080年を迎えた成田山新勝寺の門前町として栄え、毎年多くの参詣者でにぎわいます。市内にはほかにも数多くの寺社が点在しており、豊かな水と緑に囲まれた伝統的な姿と国際的な姿が融和した都市となっています。
◆日本と世界の人・モノ・ 想いをつなぐ ─成田国際空港
昭和53年5月に開港した成田国際空港(成田空港)は、世界中からたくさんの人や物が降り立ち、そして世界に旅立っていく、日本を代表する空港です。年間の航空機発着回数は約25万回、航空旅客数は約4,300万人と、日本の経済発展や文化交流のための重要な役割を果たしています。平成31年4月時点で99の航空会社が乗り入れており、世界40カ国・3地域・115都市、国内22都市と結ばれています。
また、成田空港のターミナルは第1から第3まであり、レストランやスーベニアショップなど約300店舗以上が出店しています。今や成田空港は、旅行の中継地としてだけでなく、ショッピングや遊び目的でも楽しめるスポットとなっています。
◆1000年以上の歴史が息づく大本山 ─成田山新勝寺
「成田のお不動さま」の愛称で親しまれている成田山新勝寺は、真言宗智山派の大本山です。1000年以上の歴史をもつ全国有数の霊場で、正月の三が日には約300万人、年間約1,200万人の参詣客が訪れます。また、成田駅から成田山新勝寺までの表参道には旅館や食事処、土産物店などが軒を連ね、観光地としてにぎわいを見せています。
新勝寺大本堂の裏には、東京ドーム約3.5個分(16万5,000平方メートル)の広さをもつ成田山公園があります。公園全体が大庭園になっており、園内には数々のサクラやモミジ、ウメなどの木々が植えられ、1年を通して四季折々の姿を見ることができます。
◆歌舞伎と成田の深い縁 ─成田市×歌舞伎 PRプロジェクト
江戸歌舞伎の代表的な家系である市川宗家と成田山は約300年の深い縁で結ばれています。世継ぎに恵まれなかった初代市川團十郎は、成田山に祈願をしたことで待望の長男を授かりました。それが「不動の見得」を編み出し「成田不動の申し子」と称された二代目團十郎です。それから、初代團十郎は不動明王をテーマにした歌舞伎を作り「成田屋」の屋号を使うようになりました。歌舞伎で屋号を名乗ったのは「成田屋」が始まりといわれています。
その縁もあり、成田市では「成田市×歌舞伎」としてPRプロジェクトを立ち上げ、十一代目市川海老蔵丈を「成田市御案内人」に任命し、日本の伝統芸能と連動しながら成田の魅力を広く発信しています。
◆輸出拠点化で更なる発展を ─成田市公設地方卸売市場
昭和40年代、成田市を取り巻く北総地域では、成田空港の建設に伴い急速な都市化と人口増加が進み、総合的な消費地市場が求められていました。そこで、昭和49年に成田市公設地方卸売市場(成田市場)が整備され、40年以上前から現在まで、北総地域の食料品流通の拠点として重要な役割を担っています。
現在、成田市は成田空港に隣接する千葉県花植木センター跡地へ成田市場を移転する「輸出拠点化プロジェクト」を進めています。今後開場を予定している新生成田市場は、輸出証明書の取得や植物検疫、爆発物検査などの輸出手続きを場内で実施できる「高機能物流施設」を併設し、日本の新鮮な農水産物を世界に発信する市場となることを目指しています。
◆世界から一番近い江戸 ─成田の日本遺産認定
地域の歴史的魅力や特色を通じて文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定する「日本遺産」。成田市は、佐倉市・香取市・銚子市とともに、さまざまな文化財群を一つのストーリーにまとめた「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」として平成28年に日本遺産に認定されました。
成田市の構成文化財は「成田山新勝寺と門前の町並み」、江戸時代初期の義民・佐倉宗吾(木内惣五郎)を祀っている「宗吾霊堂」、成田の夏の一大イベント「成田祇園祭」、日本武道の源流である「天真正伝香取神道流(てんしんしょうでんかとりしんとうりゅう)」です。成田空港から最も近く、江戸情緒を体感できる都市であることから「世界から一番近い江戸」として評価されています。