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自治研ちば vol.15(2014年10月)より転載
<シリーズ千葉の地域紹介>
…松戸市職員組合 飯沼秀雄
松戸市は下総台地の西の果てにあり、その果ては松戸市役所となっています。江戸川流域の低地から下町を越えて西郷隆盛像のある上野まで沖積層になっています。そのためかつては、上野の山が見えることがありました。
常磐線で金町をすぎ、江戸川を越えると、映画「男はつらいよ」のフーテンの寅さんが実家の柴又に帰るシーンに写る江戸川堤が見えます。そのシーンと同じ風景が見えます。
密集した東京から松戸に入ると矢切の耕地とその奥に下総台地の傾斜絵林が見えてきます。実は山林が残るのは傾斜林だけで台地上はすでに住宅が密集しています。ドーム型の建物は千葉県水道の栗山浄水場(2006年土木学会選奨土木遺産に認定。1937年に建設されたドーム状型の高架水槽で、頭頂部に4本柱の換気口をもつ。現在も利用されている)が見えます。
矢切耕地から傾斜林の坂道を登ると西蓮寺があり野菊の墓の文学碑があります。伊藤左千夫氏の小説は吉永小百合、内藤洋子、松田聖子さんよって演じられた有名な純愛ものがたりです。主人公「政夫」は地元の地主がモデルと言われています。その子孫が市役所に勤務している組合員でした。また、西蓮寺の隣は義理姉の実家です。
本土寺は松戸市小金にある古刹であじさい寺として有名です。歴史的価値として有名なのは中世からの過去帳は日本最大の資料です。死亡原因や死亡年齢、死亡時期等が記録されています。端境期には死亡が多く、いかに食料確保が大変であったか物語っているそうです。中世社会の社会的解明に多大な資料供しています。
■松戸市の特徴の1 土地区画整理事業
私が市役所に就職した1973年頃は区画整理事業担当課が市直営事業で開発1課と2課があり、組合施行は指導1課と2課があり市の事業の大きな位置を占めていました 松戸市の区画整理事業は昭和15年に立身台区画整理に始まり河原塚宮の内区画整理まで66件の事業が施行されています。その結果、松戸市の総面積61.33㎢のうち市街化区域44㎢で区画整理面積18.50㎢で区画整理施行率は市総面積の30.18%を占め市街化区域の41.65%に達しています。
近隣各市{市川8.54㎢(市面積57.40㎢)、柏市7.79㎢(市面積114.00㎢)、船橋4.77㎢(市面積85.64㎢)、千葉市29.51㎢(市面積272.08㎢)}と比較して区画整理事業が推進してきたことから道路と公園などの整備が進んでいるのが松戸市の特徴の1つです。
■松戸市の特徴の2 病院事業
市立病院と東病院
松戸市には国保松戸市立病院613床と228床の東病院(福祉医療センター東病院・老人保健施設)と二施設があります。
松戸市の人口や財政規模で2病院は全国的にも少ないのではないと思います。
市立病院は東葛地区の病院で最大規模であり、小児センターは東葛のみならず埼玉、茨城からも利用されており、役割は県立病院的な存在です。しかし、県の補助は少なく(資本的収入県補助金8,000万円)、市一般会計から負担金12億2,600万円、東病院への負担金は5億6千万円で、病院の負担金が民営化等の議論の理由にされています。
東病院が国立高塚病院から移管されたのは、高齢化を迎えて慢性期の患者を受け入れる専門的な病院がコンセプトです、そのため施設名を福祉医療センターとしています。
市行政の最大の課題であった市立病院の移転先が決まり、建設が進もうとしています。
松戸市にはその他、民間で千葉西病院454床(608床予定)、新東京病院373床、新松戸総合病院333床の総合病院があり、安心医療・病院の町松戸と言えます。
特に心臓病の手術実績は全国で1、2位と言われています。有名な天野心臓外科医は順天堂所属ですが新東京病院にも勤務しています。
以上、松戸市に住み働いていて感じるままに書きました。皆さんのご批判をお願いします。