トップページ> 活動報告> 調査・研究> 地域紹介> 勝浦市


千葉の地域紹介

美味しさと歴史にあふれた関東の避暑地


自治研ちば vol.19(2016年2月)より転載

<シリーズ千葉の地域紹介>

…勝浦市役所 企画課 広報統計係長 笹原 和行

■関東の避暑地

守谷海岸(勝浦市)

勝浦市は東京駅から特急で1時間半。通勤も可能なアクセス距離の先に、丘陵性山地と太平洋に面したリアス式の海岸線とが、都会の喧騒を忘れさせる美しい別世界を形作っている街です。

勝浦沖の暖流と寒流から生まれる涼しい風のおかげで、関東で過去110年間に一度も猛暑日になったことがない唯一の街でもあり、2015年8月の平均気温が25.6度という驚きの快適さ!勝浦で「暑いねぇ~」というのは、贅沢なのかも知れません。素敵な景色と過ごし易い気候で昔から多くの歌人や詩人も愛する避暑地・勝浦、いちど訪れてみてはいかかでしょうか。

■新鮮な食べ物がうまい!

日本有数の水揚げ高を誇る勝浦漁港のねっとりしたカツオの刺身、ぷりぷりした伊勢えびの刺身、甘タレをからめた金目鯛の煮付け、アワビのソテー、サザエのつぼ焼き、ふっくらと炊いた勝浦産コシヒカリ、えぐみの少ないさくさくのタケノコ、甘みと酸味が絶妙なキウイフルーツ、勝浦のおいしいものを挙げたらきりがありません。 四季折々、様々な新鮮素材を是非ともご堪能ください。

■勝浦タンタンメンもうまい!

平成27年10月、青森県十和田市で行われた「第10回ご当地グルメでまちおこしの祭典!B-1グランプリin十和田」で勝浦タンタンメンがゴールドグランプリ(1位)を獲得しました。

勝浦タンタンメンは、ゴマ系ではなく、醤油ベースのラー油を多く使ったスープにみじん切りの玉ねぎとひき肉を入れるのが基本の旨辛がくせになるラーメンです。お店によってちょっとずつ味が違うので、自分好みのお気に入り勝浦タンタンメンを探す、食べ歩きツアーというのも面白いかも知れません。

■関東の鬼が島と黒船「ハーマン号」

かつての江戸と東北を結ぶ航路の途中に、突き出すように遠浅の海となっている勝浦沖は、多くの座礁事故が発生する海の難所「関東の鬼が島」として船乗りたちから恐れられていました。明治2年2月13日、函館に籠城する旧幕府群の討伐に向かう熊本藩士350名とアメリカ人乗務員80名を乗せた黒船「ハーマン号」が勝浦市川津沖で座礁・沈没し、日米230名を超える犠牲者を出す大事件となりました。事件当日、地元住民が極寒の中、夜を徹して救助作業にあたり、アメリカ人58名を含む200名を救出したのち、事故現場を見下ろす丘に慰霊碑を建てました。この丘は現在、官軍塚と呼ばれており、毎年事故発生日にアメリカ大使館関係者を招いての日米合同慰霊祭が行われています。

■大空に向けた日本の要所

JAXA勝浦宇宙通信所

太平洋に張り出す形の勝浦は、その地理的条件を生かした全国でも数少ない重要な施設の歴史とともに存在しています。

大正6年に塔高21メートルに達する現在の勝浦灯台が設置された他、昭和16年には、いまも官軍塚にその跡が見られる当時最先端の初めての国産レーダーが設置され、空襲警報の発令に活躍。また昭和39年には、船舶の安全な航行に利用される無線方位信号所。さらに昭和43年には、宇宙開発事業団(現JAXA)により、国内に3ヶ所しかない人口衛星の管制を行う巨大信所が開設され、今日に至るまで日本の宇宙開発の一翼を担っています。

勝浦は、時代ごとに日本の先端技術の設置場所となり、日本の要所となっているのです。

↑このページの先頭へ↑