自治研ちば vol.14(2014年6月)より転載
<シリーズ千葉の地域紹介>
…柏市職員組合 武田 新
柏市の概況
柏市は、都心から30km圏の千葉県北西部に位置し、東西約18km、南北約15km、面積は114.9㎢です。東に我孫子市、印西市、利根川を挟んで茨城県取手市及び守谷市、南に鎌ケ谷市及び白井市、西に松戸市及び流山市、北に野田市が隣接しています。下総台地の北西部に位置し、その大部分は台地上にあります。市の北東部には利根川が流れています。
標高差は、最大32mでほぼなだらかな地形です。高度経済成長期以降、首都圏への人口集中の影響により、平成元年に人口30万人を突破、平成17年3月の柏市と沼南町の合併を経て、平成22年には40万人を超え、平成25年12月現在の常住人口は406,617人となっています。交通網に関しては、JR常磐線、東武アーバンパークライン(旧東武野田線)、つくばエクスプレス(TX)等の鉄道の他、国道6号、国道16号、常磐自動車道等、主要幹線道路により交通利便性の高い地域です。
未来へ向けた都市づくり
このような自然と住居・生活の環境に恵まれた地において、環境と文化の保全とともに、未来へ向けた「都市づくり」を実現するため「みんなでつくる 安心、希望、支え合いのまち 柏」を将来都市像としてマスタープラン及び各分野の計画を策定し、取組んでいます。
柏市では、人々の価値観やライフスタイルの多様化、社会経済情勢の変化に対応し、多様な世代がいきいきと豊かに暮らすことのできる生活環境の整備、バリアフリーやユニバーサルデザインに配慮しながら、安心で快適な市街地の形成を目指しています。また、市街地の質的な改善や充実、防災性の向上は重要であり、道路、公園、下水道等の社会資本の整備をはじめ、費用対効果等を踏まえた取組みが行われています。
柏市の観光資源
市内には、手賀沼やあけぼの山農業公園、国の重要文化財である旧吉田家住宅、柏駅周辺の商業エリア、環境未来都市の実現に取り組んでいる柏の葉エリア等自然の豊かさと都会のまち並みの両方を有しており、多様な観光資源が存在しています。
その内の一つのあけぼの山公園周辺は、柏北部の観光地として四季折々に咲く花を鑑賞するために、観光客が訪れています。公園のシンボルである風車を背景に、チューリップやコスモス等、花の見頃の時期にはテレビ等にも取り上げられています。
また、園内には四季折々の景色が楽しめる日本庭園があり、その中心には、本格的な茶会も催せる茶室を備えた風情溢れる佇まいの柏泉亭があります。その隣には、関東三大弁天の一つである紅龍山東海寺(通称:布施弁天)があり、多くの参拝客が訪れています。
また、市民が家族で憩えるふるさと広場、農作物の加工や手づくりみそ等を作るための加工実習館が設置されており、多くの市民に利用されています。芝生広場や遊具等子どもが遊べる施設は、家族の憩いの場、子育ての場としても利用されています。
スポーツのまち かしわ
さらに、サッカーJリーグの柏レイソルやバスケットボールJX-ENEOSサンフラワーズのホームタウンでもあります。柏の葉エリアでは、東京大学や千葉大学の研究施設の集積等があり、特色となっています。
環境未来都市・・柏
平成20年3月に千葉県、柏市、東京大学、千葉大学の4者によって、国際学術研究都市・次世代環境都市の実現を目標とした「柏の葉国際キャンパスタウン構想」が策定され、公民学連携による先進的な取組みが進められています。
平成23年7月には、環境エネルギー問題等の社会的課題にまちづくりとしての解決モデルを提示していく「『世界の未来像』をつくる“まち”」というコンセプトを発表し、同年12月には国から環境未来都市、地域活性化総合特別区域の指定を受けています。
一方、最先端の技術とコミュニティの力で環境問題をはじめとする社会課題を解決し、豊かな未来を築くためのまちづくりである、環境未来都市の実現に向けた整備が進められており、近年注目が高まっています。また、東京大学、千葉大学、柏の葉アーバンデザインセンター(以後、「UDCK」と表記)、東葛テクノプラザ、東大柏ベンチャープラザ、国立がん研究センター東病院等、公民学連携の核になる施設等が集積しています。
その他、つくばエクスプレス沿線を中心に起業家やベンチャー企業の活動を支援しているTXアントレプレナーパートナーシップの拠点やUDCKが行っているまちづくりスクール等、まちづくりに関する勉強会や企業支援の活動が盛んな地域です。
安心なまちづくり
これからもすべての市民の人権や尊厳が尊重される社会を形成し、古くから柏市に住み続けている人や新たに移り住んだ人、乳幼児から高齢者までのさまざまなライフステージの人、市内で働く人や市外に働きに行く人、男性も女性もあらゆる市民が安心して生活ができ、安全かつ快適でうるおいのある生活環境を享受できるまちづくりを進めていきます。そして、だれもが住みたくなる、また住み続けたいと感じることのできるまちづくりを目指していきます。