トップページ> 活動報告> 調査・研究> 持続可能な地域政策研究会> 第2回学習講演会の講演要旨(Ⅰ部)
現在、県議会が開会中だが、県政改革に着手をすることができている。千葉県の課題を解決し、かつ千葉県の将来に向けての"種まき"ができるように取り組んでいきたいと思っている。本日は、県政に対する私の目指すべき思いを、直接お話させていただきたい。
職員、県内市町村との対話を重視
私が千葉市長時代に非常に痛感していたことは、県政が一体何を考えているのか、なかなか伝わってこないことだった。大きな千葉県の課題もしくは市町村の抱えるそれぞれの課題に対して、意思決定を行う知事や副知事クラスがどういう認識のもとで予算化しているのか納得のある説明を受けたことが、この12年間ほとんどなかった。今、市町村長とのネットワークをつくって、本当の意味で心の中を広げてお話ができるような関係をつくっていかなければいけないと思っている。
本当に知事として私がやりたいのは県職員との意見交換だ。今、コロナ禍の中で会食そのものを控えていかなければいけない状況にあるが、早く職員と、ランチ・ミーティング、夜も使って意見交換をしていきたいと思っている。
新型コロナウイルス感染症対策に力を入れる
新型コロナウイルス感染症に関しては、今が一番難しい状況だと思う。何が難しいかというと、今は感染者が多いが、重症化はしづらくなっている。 今までの経験則では、若い人の感染が増えて、そのあとに高齢者に感染が広がっていく。その結果、時間が少し遅れる形で重症者が増えていくというのが、今までの流れだ。しかし、高齢者のワクチン接種が進み、その世代の重症化率が大幅に下がっている。今までと同じように重症者が増える流れになるのか、それともワクチンの効果で重症者が増えない状況になるのかは、どちらのシナリオもあり得る状態だ。
重症化しなかった場合は、ホテル、一般病床や新型コロナウイルス感染症用の病床に感染者があふれるが、重症者病床は空いている状態が生じる。だから、どこかの段階で、重症者が増えないことをどう評価するか判断しなければならない。 2~3週間前の時点では、政府は「重症病床使用率だけ見ればいいんだ」というように西村大臣も含めて話していた。どちらかというと、後者のシナリオでいこうと政府は考えていたが、東京が、急転直下で緊急事態宣言という形になった。政府も、シナリオが少しぶれているような状況だ。 1回目の接種については、8月末には恐らく5割ぐらいの人が完了することになると思う。その時点で感染の抑制効果が大きく出てくるので、私たちがこの社会経済活動を一定程度抑止して乗り切っていくという局面は、恐らくあと1カ月~1カ月半だと思っている。
そうは言っても、今は厳しい。東葛地域の北部・南部の病床使用率は、4割に急速に近づいているので、一般病床だけを考えれば、早晩逼迫するということが予想される。なので私たちは、どこまで厳しい措置を取るのか。もしくは、踏ん張るべきとなるのか。かなりこれは、3県の知事・県庁の考え方も微妙にずれると思うので、恐らく2週間後ぐらいにはそういう議論に入ってくるのではないかと思っている。
就任後に私が対応してきたことは、重症病床を拡大することだ。1都3県の中で千葉県は、重症病床が比較的少ない県だった。重症病床だけは一定程度を確保しておかなければ、大阪のような事態になるだろうということで、重症病床を拡大してきた。 独自に保健所を設置している千葉市・船橋市・柏市との連携が十分にできていなかったので、ここはもう対策本部に入ってきてもらっている。私自身も、この3市の市長には折に触れて、状況を確認しているので、その点については課題の意識の共有はかなりできているのではないかと思う。
県民の皆さんに千葉県からの様々な要請内容を理解していただき、かつ事業者も含めて協力をいただくためには、なぜそういう判断をするのかということを、ファクト、データとともに、示していかなければいけない。千葉県は首都圏どころか関東の中で、唯一SNSやインターネットなどで、新型コロナウイルス感染症に関する必要な情報を、ほとんど発信できていなかった県になる。今はSNSやホームページでの表記等を工夫して、ある程度わかりやすく示すことができているのではないかと思う。
私たちは今、東葛地域に関しては、まん延防止等重点措置に警戒区域という形で指定をしていて、増加の傾向があれば速やかに新たに追加をするという、モニタリングをする地域だと位置づけている。今のこの傾向が続けば、東葛12市全てにまん延防止等重点措置を適用するというのは、十分に考えられることだと私たちは申し上げている。 当然ながら、ワクチン接種を進めて行かなければいけない。市町村にはこの点について疲弊をしながらも、1人でも多くの方に接種を広げるために努力していただいている。 昨日も知事会があって、政府に対してワクチンの供給を、スケジュールも明示しながら行っていくことを提言した。ワクチンの確保を進めて、スムーズなワクチン接種を市町村の皆さん方ができるように、後押ししていきたい。
担当部局を分散化
私が県庁に来て感じたのは、新型コロナウイルス感染症への対応を担う健康福祉部の意思決定層がパンクをしかかっているということだった。 私が千葉市長だった時期は、新型コロナウイルス感染症の担当だった保健福祉局に業務が集中しすぎないようにした。それと合わせて、保健福祉局に参事クラスの、意思決定を行うことができる職員を何人も追加で配置して、意思決定が機能するように対応してきた。
県庁にきてみると、健康福祉部に、そうした部長や担当部長クラスを1人も増員していないという状況だった。そこで、まずは健康福祉部に特命の担当部長を配置した。飲食店回りをできる限り商工労働部に比重を移していった。総合調整については、知事や副知事という特別職がある程度行うことも含めて対応してきた。
けれども、拙速に行うと、逆にうまくいかないケースもあるので、健康福祉部にまだ業務が一定程度集中している。こういう危機対応を行うときに、いかに直接的部署に業務が集中しないようにするかということ、いわゆるリソースの最適配分というのが、本来、トップの一番重要な仕事になるので、危機事案が出たときには、千葉県庁が適切に動けるようにしていきたいと思っている。
次に、PCR検査だが、この接待を伴う飲食店のPCR検査というのは、非常に重要だと考えている。この間、まん延防止等重点措置区域に指定されていない、成田市や市原市などで感染がかなり急拡大をしたが、そのいずれもが接待を伴う飲食店を中心に感染が広がり、それが市中感染に広がっていると思われるパターンだ。できる限り感染拡大の予兆をモニタリングするというのが、非常に重要になってきている。
飲食店の認証制度
飲食店については、一律にお酒が出せない、8時までの時短といった規制が、感染対策がなされている店も、そうでない店も一律に行われ、すでに1年近く経過している。これはサステナブルではない。感染対策をしっかりしている店舗に関しては、ある程度営業ができるように支援をしていく等、メリハリを利かせるというのが、本来重要だ。 今議会で必要な予算を認めていただければ、速やかに全県適用ができるような制度設計をして、認証店に関しては、その制限を撤廃する方向で検討を進めている。
災害に強い県づくり
令和元年に千葉県は相次ぐ災害によって、非常に多くの被害と教訓を得た。私が一番大事にしたいのは、こういう災害があったからこそ、災害に一番強い千葉県をつくるということだ。
阪神淡路大震災のときに、私は神戸市に住んでいて、被災者でもある。今、神戸市と兵庫県は、防災市・防災県という強いアイデンティティを確立している。全国で大きな災害が発生したときに、頼まれなくても支援部隊を真っ先に派遣するというのが、彼らの強いアイデンティティになっている。これが、災害を受けた自治体が次に取らなければいけない姿勢だ。いつまでも下を向いていてはいけないということで、痛い教訓があるのであれば、それを教訓にして、全国を救えるぐらいの千葉県をつくっていくんだという強い気持ちで、取り組んでいく必要がある。
6月の補正予算では、治水や土砂災害に対する予算を、かなり強く盛り込ませていただいた。一宮川流域は2年前の災害の以前から、相次ぐ水害に見舞われたエリアだが、こうした地域も含めて積極的に災害に強い県土づくりを進めていくことが大切だ。 そのためには、民間企業との連携も不可欠だ。例えば、停電のときであったとしても、EV車などを多くの民間企業から借り受けて、電気を必要としている地域に動的に配置することも含めて、そうした民間企業との協定というのが極めて重要になってくるだろうと思う。
災害時には、ボランティアセンターの機能強化が重要だが、特に、千葉県の社会福祉協議会や各地域の社会福祉協議会がボランティアセンターに切りかわったときに、その受け入れ処理能力が、問われてくると思う。災害に強い千葉県づくりをしっかり進めていきたい。 交通安全だが、八街市で非常に痛ましい事案があったし、そのすぐあとに市原市でも悲しい事案が起きた。こうした子供たちをめぐる痛ましい交通事故をなくすために、飲酒運転の根絶に力を入れていかなければいけないと思う。
雇用を重視した施策を展開
千葉県は、人口が増えていく東京に近い地域と人口が減り続ける地域をかかえている。この2極化にどのように対応できるかが、千葉県行政に携わる私たちの役割だと思っている。人はどうしてその地域にとどまるか…これは、雇用の1点に尽きると思う。 特に女性の雇用を重視して、県庁を上げて取り組んでいきたいと思っている。そのためには千葉県の中に産業用地を、企業を誘致するためのタネ地をつくっていかなければならない。この部分は、組織も予算もしっかり当てながら、市町村と連携してこれから取り組んでいく。
成田空港という非常に求心力のある拠点を、千葉県は持っているので、成田空港の機能強化に合わせて、いかに成田空港周辺に雇用をつくれるか否かというのが、私たちには問われてくると思っている。 雇用のミスマッチの解消も重要だ。千葉県は、重工業が非常に発達した地域だから、工業高校などの技術系の人材の需要は非常に高いが、千葉県は本州で一番、普通科率の高い県だ。京葉コンビナート地域も含めて、東北地方の工業高校等から技術系の人材を確保していというのが実態だ。
千葉県の総合教育会議の本来の意味合いは、雇用労働部門、児童福祉部門がある知事部局と教育部門が、いかに連携して共通の問題を解決していくのかということだ。これから千葉県の総合教育会議は、この2点に力点を置いて、教育行政と福祉行政や経済行政、雇用行政との連携を推し進めていく。
豊かな自然を生かす
豊かな自然を生かす、これが千葉県にとって非常に大きな部分だ。私たちは、東京に近く、かつ自然豊かな環境を有する地域として、新しい働き方・新しい企業のあり方について、積極的に仕掛けていくことができる場所だと思っている。千葉県は、これから10年の基本計画を策定するが、その大きな柱の一つは、千葉県で住んで働くという「職住近接スタイル」を、千葉県の特徴を生かして、行政が計画的に進めていくことだと思っている。
そのためにやらなければいけないのは、外から人材を連れてくることだ。千葉県で決定的に足りないのは、外からの目線だと思う。1都3県の中で、なぜ千葉は少し磨きが足りないのかというと、外から人がくる割合が一番少ないのが千葉県だからだ。半島性ということで、千葉県に来る人以外は千葉県に来ない地域だから、放っておけば千葉県に来る人というのは1都2県に比べれば少ない。だから千葉県の人たちは、意図的に外から人を連れてくるという意識をしっかり持っていかなければいけないと思っている。
今は副業人材の時代で、テレワークなどが進んだことも一つの契機となって、制度的にも今は非常に整ってきた。そうした外の目線を持ち、かつ東京を中心とした人的なネットワークや、確かなノウハウを持っている人材をしっかりと見つけて、千葉県内の地域のことについて考えてもらい、かつその人のネットワークを生かして、そのほかの人も連れてきてもらえるような仕掛けをつくれるかどうかというのが、私たち行政の役割だと思う。
半島性の克服、港の活用
千葉県の課題は、この半島性の克服だ。私は、職員に「半島性の克服と、半島性のよさの磨き上げという、この二つが大事です」と言っている。半島であるがゆえに、交通ネットワークがどうしても十分ではない。それを克服するために、アクアラインの800円の維持も極めて重要だ。また、北千葉道路、銚子連絡道路、長生グリーンラインのような、半島性を克服するための基本的なネットワークをつくることは、優先順位として高いと考えている。そうした道路インフラのネットワークの構築には、しっかりとした予算を配分したいと思う。
半島であるがゆえに、東京からの距離にしてみれば、あまり栄えていないというのが千葉の特徴だ。東京に近いにもかかわらず、いい意味で開けていないというのをどのように強みに変えていくかということも、非常に大きな戦略になってきている。だから1都3県と考えるのではなく、「1都2県と、千葉ですよ」ということを常に職員には説明をしている。
公共交通ネットワークという観点からも、千葉は劣っているところがある。例えば、京葉線に関しては、多分首都圏の主要なJR路線では唯一、東京駅に相互乗り入れのない路線になっている。この京葉線と、例えば臨海線などの相互直通運転を含めて、仕掛けていかなければいけないと思っている。
三方を海に囲まれた千葉県として、いかに港湾を生かしていくのかが大事になる。東京、神奈川、茨城に比べると、かなり遅れているので、いかに投資を着実に行って、港湾の機能を強化していくかということが、重要だと考えている。
私は、銚子の風力発電に10年以上前から注目している。銚子は、本州の中で最も東京に近いエリアで安定して風が吹いており、気候的にもすごくいい土地だ。風力発電は、一般的には漁業関係者との利害調整がすごく難しいが、銚子漁協の方々が、主体的にこの事業にコミットしている。事業者からの提案を受けて洋上風力発電ができるに当たって、銚子市からも要請をいただいている名洗港をメンテナンス港にできるように、改修を行うための予算を計上させていただいた。また、館山の多目的桟橋にも、機能を拡張する予算を計上している。
今回、コロナ禍によって、改めて県民の皆さんも、各地域において医療資源の配置を、強く認識されたと思う。私も新型コロナウイルス感染症への対応で感じるのは、県内における医療資源の配置の偏りだ。安房地域には、鴨川市に亀田病院があり、銚子方面には旭中央病院という非常に強力な二つの医療機関が存在する。一方、夷隅地域等のエリアには強い医療機関が存在しないがゆえに、医療的には非常に苦しい地域だと思う。 医療資源の配置の偏りも含めて、各地域に持続可能な医療提供体制をいかにつくり上げていくかが、大変問われてくるだろうと思っている。
子育て、障害者の支援
コロナ禍によって、オンライン診療の道がようやく少しずつ開けてきた。千葉県の医療過疎もある程度支えられる形で、オンラインでの診療をどのように生かしていくのかということも、医師会の皆さんと一緒につくり上げていかなくてはいけないと思う。また、障害者の方々、若年性の認知症や難病の方々に対する支援を、県として充実させていきたいと考えている。
子育てについては、児童虐待の問題にしっかりと取り組んでいきたい。これは千葉県自身も、野田市での事案も含めて、教訓のうえで児童相談所の拡充に向けて、児童養護体制の充実に向けて動いていて、今回の6月の補正予算で、具体的に印西市と松戸市の2カ所の増設に向けての予算を計上させていただいた。船橋市と柏市も、それぞれ独自に児童相談所を設置すると聞いているので、もうしばらくすれば、一気に4カ所増えることになる。
また、船橋市、柏市と連携しながら、人材の部分を手厚くしていきたいと思っている。 保護する子供たちを一時的に預かる一時保護所の拡充も、必要になってくる。子供たちが実親のもとに戻れない場合の児童養護施設や、里親、ファミリーホームの充実も、極めて重要になってきている。この点については、6月の補正予算でも計上させていただいている。
教育予算の拡充
ICT教育への投資、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの増員などについて、6月の補正予算で計上させていただいた。
今後の課題にいくつか触れる。一つ目は、その人の人生にとって、最も影響を与える幼児教育の充実。激変する社会情勢の中で最も重要なのは、スキルではなくて根本的な能力だと思っている。質の部分を高めていくことに着手していかなければならない局面が近いうちにやってくるので、この幼児教育にしっかりとした投資をするということだ。
二つ目は、小学校に専科教員を増やしていくことだ。私は、少人数学級よりも、専科教員を増やすべきだという立場だ。38人学級が35人学級になるよりも、1週間の中で2コマでも3コマでも専科教員が授業を担当して、その間、担任が別のことにその時間を振り分けることができれば、担任の負担軽減のためにも、教育内容の充実のためにも、よほど重要だからだ。
三つ目がキャリア教育だ。先ほど申し上げたとおり、ミスマッチをどう解消していくのか。最大の福祉は、良き雇用にめぐり会うことだと思っている。これからの労働のニーズをしっかりと教育現場に浸透させて、子供たちが必要とされる人材に育つための小・中・高の教育体制をつくっていかなければいけないと思っている。
四つ目は、理系人材の確保だ。理系がもっと指導層にいて、そして理系の発想によって社会が構築されていかなければ、私たちの国はどんどんと遅れを取っていく。この理系社会への転換というのを、もっと強いスピードで行っていかなければいけない。
五つ目は教員免許更新制だ。いよいよ全国的に免許更新制がなくなる世界が近づいてきていると思う。私は近いうちに免許更新制は大幅な見直し、もしくは廃止されると思う。そうなるように、全力で動いていきたい。
農業・漁業政策
千葉県として、この1次産業の雇用をいかにつくるかということが大事になる。語弊を恐れず申し上げると、農家のために行うわけではなくて、それが県民所得の向上と県民雇用を守り、増やしていくために、農業と漁業にもっと力を入れていくということだと思っている。千葉県は3方を海に囲まれ、特徴的な漁業県であるわけですから、本来であれば千葉県は"漁業の国"として、しっかりと漁業文化を生かしていかなければいけない。
文化・スポーツ政策に力を入れる
千葉県の美術館は、本当に学芸員もいない時代が多かったし、学芸員を雇用した今でも注目される企画展はほとんどできていない。予算もすごく貧弱で、千葉県の文化の担い手が行政的に存在しなかったというのは、非常にもったいない。
芸術と文化は、方向性を定めても、本当の意味で花開くのは10年~20年くらいの時間がかかるが、それでも、だからこそ今やらなければならないと思っている。 千葉県は、男女共同参画条例が47都道府県で唯一存在していない県だ。LGBTを含めた性的多様性に対しても、非常に不十分だと思っている。成田空港を抱えている県として、外国人との共生についても、やらなければいけないことがたくさんある。障害者・外国人・男女共同参画・性的多様性について、しっかりと千葉県として取り組んでいく。
県庁の職員は非常に優秀だと思うが、内向き思考が少し強いかなと感じている。知事レクチャーも含めて、内部会議にたくさんの職員がきて、非常に多くの時間とエネルギーと人員・リソースを注いでいる傾向が見て取れる。できればそのエネルギーを、もっと外の本来の仕事に向けてほしいと思っているので、少しずつむだのない組織、スピード感ある意思決定ができる行政組織に変えていきたいと思っている。
私のところに、分厚い決裁書類が次々と来る。この書類が届くまでに相当の時間を要していると思うが、電子決済の利用の推進や権限を下すことによって、意味のある決裁ルートにして、決裁のスピードを速めるように取り組みを進めていく。
これから10年間の総合計画と、行革と財政健全化の計画を策定している。このことによって、県庁の中にしっかりとした筋肉質な行政体をつくっていきたいと考えている。デジタル化も千葉県は遅れていたが、組織を立ち上げ、担当部長を配置して、今まさにこれから仕掛けていくタイミングだ。キャッチアップしていくには、まだ時間がかかるが、千葉県としてのデジタル戦略を確立して、市町村も支援できるようにしていきたい。
最後に、政令市・千葉市との関係だが、千葉市の神谷市長とは、今、毎日のように意見交換を行っており、県と政令市で、懸案課題を一つ一つクリアしていきたいと思っている。
駆け足になってしまったが、新型コロナウイルス感染症へ対応しながら、県政ビジョンでお示ししたことを一つ一つ進めていこうとしている。議員団の皆さんにも、いろいろな形でそれぞれの現場の課題を、県議の皆さん等を通していただいて、千葉県の課題、市町村の課題を解決していきたいと思っている。御清聴、ありがとうございました。
(この講演要旨は、事務局の責任で作成しました)