連合千葉議員団会議及び千葉県地方自治研究センターは、2014年6月に「千葉県在宅医療等研究会」を立ち上げました。このページでは、研究会の概要、活動等を紹介します。
8月29日に第8回福祉分科会及び9月12日に第9回福祉分科会を開催し、調査研究報告書のまとめ作業を進めました。福祉分科会は3チーム(広報・定量分析・ヒアリング)に分かれて活動を行ってきましたが、当日はこの3チームごとに調査研究報告書のまとめを作成しました。また、アドバイサーの鏡諭教授から提案された5項目の内容を柱に福祉分科会全体の総括とすることとしました。
8月5日、第7回全体推進会議を開催し、①第2回シンポジウム(11/5)の企画、②千葉県在宅医療等研究会の調査研究報告書の作成等、について協議しました。シンポジウムは、分科会報告(防災分科会及び地域活性化分科会)、基調講演(講師:淑徳大学教授 鏡諭)、パネルディスカッション(司会:千葉県自治研センター理事長・法政大学教授 宮﨑信光、パネラーは福祉分科会のメンバー)で構成すること、また、調査研究報告書については本年10月下旬に完成させること等、大筋の方向を決めました。
千葉県在宅医療等研究会では、8月5日(金)14時から防災分科会と地域活性化分科会の合同ヒアリング調査を千葉県庁県議会棟第1会議室で開催しました。
地域活性化分科会座長の網中肇県議が前半の司会を担当して開会。主催者を代表して天野行雄主査の挨拶の後、保育所待機児童の解消策について、千葉市幼保運営課の課長の岡崎太郎氏及び市川市のこども施設計画課課長の小西啓仁氏からそれぞれ講演を受けました。
休憩の後、後半の部の司会を防災分科会の矢崎堅太郎県議に司会を交替し、再開しました。「女性消防団の取り組み」について、千葉県消防協会の常務理事兼事務局長の鑓水三千男氏が講演を行いました。
最後に、千葉県地方自治研究センターの宮﨑伸光理事長は、今日の待機児童対策や消防団活動の現状と課題をヒアリングしたが、それぞれの地域で施策の充実に活用していただきたいと挨拶し、閉会しました。三氏の講演要旨は以下のとおりです。
千葉市の待機児童数は、平成14年頃から増え始め、平成17年から23年まで300人台を超えた。平成20年4月の待機児童は、335人(前年比+6人)だった。その当時の保育所整備計画では2年間で2ヶ所のみの整備を行うなど待機児童対策を特に施していない中で、平成23年4月の待機児童数をシミュレーションしたところ、990人という数字がはじき出された。
このような中で、平成20年9月に急遽「待機児童解消に向けた緊急3ヵ年計画」を策定した。しかし、平成20年8月に国が行ったニーズ調査によれば、千葉市における保育所利用の潜在ニーズは、実際の利用の倍という結果となり、緊急3ヵ年計画では待機児童を解消できないことが判明した。
そこで、新たな計画として、平成22年2月に「待機児童解消に向けたアクションプラン2010」を策定。この計画では、将来的な人口減少・少子化という状況を勘案し、施設整備の抑制という観点から①定員変更、分園設置の推進、②幼稚園における預かり保育の活用、保育ルーム(認可外)の拡充、等の対策をとることとなった。
また、「新規開設園への希望が少ない」など、施設により希望の多寡がみられることから、入所待ち世帯に個別に電話で斡旋する等のきめ細かな斡旋による利用調整を行ったところ、待機児童数の減少という点ではかなりの効果をあげることができた。
平成25年度には、子育て支援コンシェルジュによる情報提供の開始等を行いながら、ようやく待機児童ゼロを達成することができた。翌26年度もゼロを達成したが、27年度は残念ながら達成できなかった。達成できなかった主な原因のひとつに保育士の確保がむずかしいことだ。千葉市では、保育士の採用にあたって、採用試験の年齢制限の大幅緩和、その他優遇措置を取り入れて、保育士の確保に努めている。
市川市の平成28年4月現在で、待機児童は過去最高の514人で、更に増加傾向にあることから、平成29年4月までに定員1,200名の拡大をめざす「待機児童対策緊急対応プラン」を本年5月31日に発表した。本日は、このプランを中心に説明する。
市川市は人口約48万人、面積約57k㎡だが、先ほどお話のあった千葉市は人口約97万人、面積約272k㎡。人口は千葉市の約半分だが、面積は1/5程度となっている。広範囲な行政展開が求められる千葉市と状況が異なるので、千葉市のやり方が市川市で通じるかというと、なかなかむずかしい。
先日、札幌市に視察に行ったら、札幌市の担当者から「市川市において待機児童対策で保育所を設置するのに大騒ぎになっているが、札幌市では考えられない」といわれた。都市によって、住民の意識も異なり、行政側の対応も違っている。
市川市のこの5年間の就学前人口をみると、2万4千人台で大きな変化はないが、待機児童がどんどん増えている。子どもの数は変わらないのに待機児童が増えているのは、保育園に預けて、働きたい人が増えている状況。市川市で待機児童をゼロにするのは簡単なことではないと思っている。
小規模保育事業所の設置について、計画では14施設200名の拡大としているが、本年度2ヶ所、来年度2ヶ所設置に止まっている。また、市の施設を活用し、パート労働者などを対象とした一時預かり事業を行う施設を公立で運営する「いちかわ保育ルーム(仮称)」事業を新たに取り組んでいる。
新規保育園の整備については、千葉市は抑制ということだが、市川市の計画では15施設800名の拡大を目指すほか、既存保育園における受け入れ拡大、私立保育園における預かり保育の拡大を行うこととしている。
保育士の確保については、大臣が出席する厚労省のヒアリングの場があったので、自治体間競争をしなくても保育士を確保できるように、保育士の労働条件向上などの抜本改善が必要との話をさせていただいた。市川市の保育士の賃金は全国トップレベルだが、保育士等へのPRの強化をはかるとともに、保育士の処遇向上にも取り組んでいる。
最初に、これからお話しする内容のうち、事実に関する部分以外は鑓水の理解であり、個人的見解であって、私が現に所属する千葉県消防協会の見解ではないことをお断りしておく。
消防団は、消防組織法に基づいて市町村・一部事務組合に設置される組織で、いわゆる常備消防と車の両輪をなしている。消防団員の就業形態については、以前は農業・自営業が多かったが、最近では広い意味でのサラリーマンが7割強を占めている。このことは、その地域に常にいない団員が増えているということであり、団員が消防団活動を行おうとする場合に団員が働いている職場の理解が得られないと、それなりに活動に支障が生じることが考えられる。
消防団員は、非常勤の特別職地方公務員であり、その処遇は市町村の条例で定めている。報酬は市町村によって違うが、千葉県内では、団長でも年額数万円から高くて30万円で、財政力の強い市町村はそれ以外の自治体に比較して高い傾向にある。この報酬額から、消防団員を"有償ボランティア"と呼ぶ人もいる。
東日本大震災のときに、消防団員は254名の殉職者をだした(常備消防職員は27名だった)が、このことは消防団員が職務の重要性を認識し、危険を顧みず、地元の災害に際して職に殉じたかを示している。消防団員とは、実に健気な存在と言えるのではないかと思う。消防団を支えているのは、地域の感謝と尊敬だ。
消防団員については、全国的に減少傾向にある。消防団員数は、平成9年には約97万人であったものが、平成27年には約86万人と減少している。一方、常備消防の職員数は平成7年で約15万人だったが、平成27年では約16万人と微増となっている。背景には、少子高齢化(特に、都市部以外の地域における若年層の減少)や産業構造の変化(地元における農業人口・自営業者の減少と居住地を離れる給与所得者の増加)があるといわれている。
女性消防団員についてだが、歴史的には、離島の漁村で男性が出漁した後の家庭を任された女性たちが消防団を結成したのが事の始まりとされている。全国的に消防団員が減少する中で、女性消防団員の数は増えつつある。平成2年では全国の女性消防団員数は1,923人だったが、平成27年では22,747人を数えている。
千葉県の状況については、消防団数は48、そのうち女性消防団員のいる消防団は30団となっている。千葉県の女性消防団員の数は532人だが、全国的にみると、東京都が2,633人、次いで北海道が1,958人、千葉県は13番目だ。
女性消防団員入団の動機としては、「地域に貢献できる活動に関心があった」、「両親や知人から勧められた」、「家族の命を守りたいと考えた」、「専業主婦なので、社会とのつながりを欲しいと考えた」などがある。
また、女性消防団員の機能については、平常時と災害時では、男性消防団員と機能を異にしている例が多くなっている。平常時では、防災思想の普及啓発活動や応急手当の研修会における指導、各種イベントに参加して災害に係る広報啓発活動や消防団のPR活動に従事し、災害時では後方支援、救護活動や避難誘導などを担当することが多い。
女性消防団の採用については、在勤者又は通学者の入団を認めている団体数は、全国で1,681団(在勤者1,218人、通学者463人)となっている。消防庁は女性消防団の数を増加させることを一つの方針としているので、女性消防団の数は徐々に増加していくと思われる。
女性は、①ソフトな対応、②コミュニケーション能力の高さ、③母性による優しさ・きめ細やかさ、④女性の視点を活かした気配り、⑤地域に持つネットワーク、等の点で男性に比して優れており、女性消防団員等はそれぞれの特性に従った活動を深めた機能別消防団の推進を進めるべきだと思う。
より現実に即した女性消防団の活動の場の例としては、①平常時のひとり暮らしの高齢者や高齢者世帯への住宅防火訪問などの防火・防災啓発活動、②災害時の応急救護支援や避難誘導、避難所運営補助、③災害現場での情報連絡等の後方支援、等が考えられる。
7月12日の13時から、第7回福祉分科会が連合千葉第2会議室で開催されました。会議では、天野座長から提案された「福祉分科会の今後の活動の進め方」について、チームごとに打ち合わせを行いました。
第2回シンポジウムについては、本研究会が2年半にわたり取り組んできた研究成果を発表する場として位置づけ、11月5日(土)午後、幕張勤労市民プラザで開催を予定。 シンポジウムの構成については、分科会報告(防災分科会及び地域活性化分科会)、基調講演(講師:淑徳大学 鏡 諭教授)、パネルディスカッション(パネラーは福祉分科会のメンバー)としました。
また、福祉分科会のメンバーが所属する市町村において、市町村の新総合事業等の取り組み状況、地域包括支援センターの現状と課題について、7月下旬~8月中旬にかけて調査を実施することとしました。
2016年5月20日に千葉県在宅医療等研究会の防災分科会が佐倉市と船橋市のヒアリング調査を実施しました。調査には、分科会の座長の矢崎堅太郎県議会議員をはじめ、8名のメンバーが参加しました。
5月20日10時~12時にかけて佐倉市役所を訪問し、民生委員を通じての地域防災施策について、伺いました。佐倉市からは、井坂福祉部長をはじめ、社会福祉課及び危機管理室の担当者の皆さん、佐倉市地区民生委員・児童委員協議会の副会長の阿部和子さんに対応していただきました。
最初に、危機管理室から佐倉市地域防災計画の概要版に基づいて説明がありました。その後、佐倉地区民生委員・児童委員協議会の阿部さんから、災害時要援護者支援活動について、1時間程度お話を伺いました。
佐倉市の佐倉地区は江戸時代からの城下町にあたり、旧市街地とのこと。佐倉市の総人口は約17万7千人、全体の高齢化率は28.60%ですが、佐倉地区にかぎると人口は約2万9千人、高齢化率は32.50%だそうです。
佐倉地区には、35名(定数36名)の民生児童委員が活動。民生委員制度創設90周年事業として、2006年から「民生委員・児童委員発 災害時一人も見逃さない運動」が全国一斉活動としてスタートしました。佐倉地区の民生委員・児童委員は一丸となり、一人暮らしや寝たきりの高齢者、障がいのある者、ひとり親家庭、子育て家庭等の災害弱者の皆さんを把握し、災害時に見逃すことなく救うことをめざして活動を進めてきたとのことです。
地道な取り組みが進められ、災害時用援護者台帳や地域支援台帳を作成するまでにいたっています。今後の課題として、町内会・自治会に入らない人が増えており、地域支援者が選べない、マンションのオートロック化で要支援者の把握がむずかしくなっていること等が、あげられていました。
阿部さんが住んでいる町では、様々な活動が契機となって自主防災組織が結成され、震度6弱の地震発生を想定した全戸安否確認、防災訓練、炊き出し訓練などを毎年行っているそうです。粘り強く、丁寧な取り組みが着実な成果を引き出しているように感じました。
5月20日の午後は、14時~15時30分にかけて、船橋市議会事務局にお世話になりました。議会事務局長の挨拶のあと、安藤危機管理課長から中学生への防災教育を中心に説明をうけました。
船橋市では、大災害に備え、地域の安全は自分たちの手で守るという意識や、いつでも助け合える精神を養い、またその技術を習得するために中学生への防災教育を実施。中学校の総合学習の時間等を活用して、教職員、市職員、消防職団員及び地域のボランティア等が相互に協力、連携して行っているそうです。
2005年度からスタートし、毎年度3校を目標に実施をしてきており、2015年度までで実施校33校、実施生徒数は5,569名。教育内容は、防災講話、防災マップの作製、応急救護訓練、防災備蓄品の組立訓練とのこと。防災教育の大切さは東日本大震災で実証済みです。特に、大人が仕事で不在の昼間の災害発生では、中学生の力が様々な場面で発揮されることが想像に難くありません。
天災は忘れた頃にやってくる、といいます。防災・減災という点からは、今回の佐倉市と船橋市のケースから、地道な息の長い取り組みと常日頃の備えの大切さを改めて考えさせられました。
4月14日、千葉県在宅医療等研究会の福祉分科会は、山武市及び富里市の地域包括ケアシステムヘの対応等についてヒアリング調査を実施しました。調査には福祉分科会のメンバー11名が参加しました。
4月14日13時~14時30分にかけて山武市役所にお邪魔しました。山武市からは、高齢者福祉課長の横地博さんほか3名に対応していただきました。福祉分科会を代表して天野座長からのあいさつの後、横地課長から調査項目にそって説明を受けました。
山武市は、2016年4月1日現在で、人口53,866人、65歳以上人口16,571人、高齢化率30.80%。平成18年3月27日に3町1村が合併し、山武市が誕生しました。
地域包括支援センターについては、直営で1カ所設置をされており、職員3名が配置されています。本年6月から一つの事業所に委託する予定で、現在公募中とのことでした。
山武市は都市型の地域ではなく、市民にとって地域包括支援センターの知名度は高くありません。合併前の3町1村の役場庁舎がそのまま出張所として残っています。市民が困って訪ねてくるのが出張所で、その出張所からの連絡で担当職員が駆けつけて対応しているとのこと。また、民生委員とは地区の勉強会等で一緒になったりしていることもあり、よく連絡をくれるので、助かっているとのことでした。
在宅医療への対応との地域包括支援センターの連携については、地域医療・介護連携推進会議を平成28年3月17日設置し、今後、部会を開催して課題等を抽出していく予定となっています。地域ケア会議については、平成27年度に3回実施しましたが、平成28年度は定期開催に向けて調整中とのことでした。
今回の法改正で打ち出された、医療と介護の連携を図ることについては、医療資源が限られている山武市単独ではむずかしく、山武郡市の中での医療と介護の連携が大切ではないかとのことでした。
新しい総合事業については、山武市は千葉県が複数回セミナーを開催して丁寧な説明がされたこともあり、平成28年2月1日から開始しました。また、市内に生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)を2名(社会福祉協議会職員)配置しています。
山武市を後にし、富里市役所で15時15分~16時45分にかけてお話を伺いました。富里市からは、健康福祉部長の尾﨑正尚さんのほか3名の職員に対応いただきました。まず、調査団の天野座長のあいさつの後、尾﨑部長からあいさつを受け、調査項目について担当職員の説明を伺いました。
富里市は成田空港に隣接しており、2016年2月末現在で総人口49,934人、65歳以上人口12,151人、高齢化率は24.33%となっています。
地域包括支援センターについては、直営で1カ所設置をされており、職員は6名。市内の3事業者に地域包括支援センターを委託する方向であり、その際委託する3包括支援センターを各中学校区に割り当て、直営は基幹型の位置づけのセンターに衣替えするとのことでした。
平成26年度より、富里市地域包括支援センター,医療機関,介護事業所,医療・健康・介護に係る行政機関で在宅介護推進会議を設置。月1~2回開催し、多職種による意見交換や在宅推進の検討を行っています。
富里市は、医療資源が不足しており、特に市南部地域は医療機関が少ないとのこと。山武市と同様に市単独で医療と介護の連携を築いていくことがむずかしく、周辺市町村の関係者が集まる会議の中で、広域的な連携が必要との意見が出ているそうです。
新しい総合事業については、平成29年4月1日から移行にむけて、平成28年9月頃までに要綱(案)等の整備、平成28年10月目途に市内介護事業者の連絡会議において説明、平成28年12月頃~平成29年3月にかけて市民への説明、を予定しています。
新しい総合事業の実施を前倒ししている市町村が多い中で、富里市の対応について、尾﨑部長は冒頭のあいさつで「よく言えば慎重。悪く言えば遅れている」と話していました。千葉県から様々な説明があったが、富里市として検討した結果、前倒ししても基本的なメリットはなく、平成29年4月の総合事業をスタートさせるまでの準備期間を確保したほうがよいと判断したそうです。
今回は、山武市と富里市にお邪魔しました。両市とも、地域包括ケアの構築という点では、医療資源の不足が大きな課題となっています。大変な状況の中で、それぞれ工夫をしながら頑張っている姿が印象に残りました。お忙しい中、対応いただいたことにお礼を申し上げます。
4月5日、第6回福祉分科会が連合千葉第2会議室で開催されました。天野主査の座長で開会。冒頭、前回の福祉分科会で確認されたチーム分けについて、新たに布施貴良氏がヒアリングチームに、石上塁氏が定量分析チームに加わることを承認しました。
アドバイサーの鏡教授の挨拶の後、報告事項として①柏・流山市の視察&ヒアリング調査(2月4日実施)、②千葉県看護協会のヒアリング調査(4月1日実施)について、それぞれ石原義規氏及び鈴木陽介氏から報告があり、質疑を受けました。
協議事項として、①第2回シンポジウムを11月5日午後に開催する、②福祉分科会メンバーが属している市町村において、新総合事業等の取り組み状況、地域包括支援センターの現状と課題について、5月上旬~6月中旬を目途に調査を実施する、等を決定しました。次回の会議を7月12日の13時から開催することとしました。
2016年4月1日、千葉県在宅医療等研究会福祉分科会のメンバー4名が千葉市美浜区新港にある千葉県看護協会を訪問しました。看護協会からは星野会長をはじめ4名の役員の皆さんに対応していただきました。
冒頭、天野会長から、「連合千葉議員団会議のメンバーを中心に千葉県在宅医療等研究会を立ち上げて、千葉県の地域包括ケアの拡充にむけた調査研究活動を取り組んでいる。本日はその活動の一環として、千葉県看護協会の取り組みを教えていただきたい」と挨拶。その後、質問をまじえながら、説明を受けました。
看護協会からは、地域包括ケアについては優先事業の一つと位置づけて取り組んでいるが、在宅医療を支える訪問看護師が足りないことが大きな課題であり、現在その人材育成に取り組んでいるとのことでした。また、育成がむずかしい背景の一つに、臨床経験のない人は訪問看護師にはむかないというのが主流の考え方としてありましたが、大学や看護学校で在宅医療や訪問看護について勉強する学生も増え、その考え方も変わってきているそうです。
現在、看護協会は、人材育成プログラムを作成して、訪問看護ステーションに新卒で入職した看護師が単独で訪問でき、判断ができ、看取りができることをめざしています。2012年4月~2016年3月末までで、新人・潜在看護師あわせて21名が巣立ちました。しかし、まだまだ足りません。
何らかの理由で離職し、働いていない、いわゆる潜在看護師対策も大きな課題です。昨年10月に、離職した場合の看護師等の届出制度が施行しました。本年2月までの千葉県内の登録者が447名。千葉県ナースセンターでは、12ある地区部会のうち、千葉地区、印旛地区、君津地区を皮切りに、地域に出向き、説明会や求職につなげる活動を展開しています。
千葉県では、毎年、約2600名が大学・看護学校を卒業します。これらの新卒の看護師に良い実習場所を提供することが人材育成の大きな課題となっています。病院だけでなく、地域の訪問看護ステーションを実習場所として提供できないと、新人は他県に行ってしまいます。訪問看護ステーションは小さな規模が多いですが、小さなステーションでは新人の受け入れは負担が大きくて、なかなか頼めないのが実情。頼むとなると、大きな規模で土台がしっかりしているステーションになります。
「やはり、病院で訪問看護ステーションを設置しているところが人材を育成しやすいのでしょうね」との私たちの問いかけに対して、訪問看護師が増えなかった大きな理由のひとつはその点にあるとのお答えでした。説明によれば、病院の看護師をしていると、病院の看護も面白いし、しっかりやろうとするので、なかなか訪問看護師にシフトしない。看護協会が人材育成プログラムを作成したのは、そのためであり、病院ではなくて地域で育てるということが重要とのことでした。
看護協会のヒアリングを通じて、改めて地域包括ケアをささえるの人材の確保のむずかしさを実感しました。
地域活性化分科会では、子育て支援に焦点をあてながら、事例分析を通じて地域活性化についての調査活動を進めることとしています。3月23日は、流山市を訪問し、子育て支援施策について視察ヒアリング調査を実施し、分科会の構成メンバーなど8名が参加しました。
流山市では、駅前送迎保育ステーションの設置、保育園・学童クラブの新設・増設などの子育て世帯向け施策の実施と首都圏駅へのPR・各種のイベント開催等が功を奏し、流山市に移り住む30歳~40歳代の子育て世代が増えています。
この送迎保育ステーションへは、2005年に開通したつくばエクスプレスと東武線が乗り入れている「おおたかの森駅」から雨に濡れずに数分で到着できる隣接したビルの4階に設置されています。2007年7月に、待機児童の解消を目的につくられました。
送迎保育ステーションでは、朝、保護者が連れてきた子どもを指定保育園(流山市内には保育園が26か所ある)に登園バス(5台)で送り、夕方に指定保育園からバスで戻ってきた子どもを保護者が迎えに来るまで預かっています。
利用者が多い理由として、送迎保育ステーションの立地がよいこと、流山市内のすべての保育園との間で送迎を実施していることがあげられます。今後も保育需要の増大が想定されており、事業の拡充が課題となっています。
おおたかの森小学校区学童クラブは、2015年4月に開校したおおたかの森小・中学校の敷地内に、おおたかの森センター、こども図書館とともに併設されています。
おおたかの森小学校区学童クラブ、おおたかの森センター、こども図書館の運営は、アクティオ株式会社連合体が指定管理者としてあたるとなっています。そのうち、学童クラブの運営には、「特定非営利活動法人ライズアップ女性サポート実行委員会」が担当しています。
学童クラブの視察後、おおたかの森センターの会議室において、流山市のマーケティング課長から「マーケティング活動による都市間競争力の強化~子育て世帯の誘致策~」の演題で講演を受けました。講演要旨は以下のとおりです。
2003年に今の市長が当選した後、人口減少、少子高齢化、経済状況の悪化など、自治体経営がきびしさを増す中で、発展し続けるまちづくりの仕組みを構築するために、マーケティング課を設置しました。2005年に、つくばエクスプレスが開通することが追い風になりましたが、流山市は沿線の都市間競争に勝ち抜くという目標を掲げました。具体的には、流山市が住宅都市という性格から、市外からの住民誘致を増やすことによって安定した都市経営をめざすこととしました。
30歳~40歳代の子育て世代をターゲットに、駅前送迎保育ステーションの設置、保育園・学童クラブの新設・増設などの子育て世帯向け施策を実施しました。PR広告として、「母になるなら、流山市」「父になるなら、流山市」の大型ポスターを首都圏駅に貼り出したこと等が反響を呼びました。また、グリーンフェスティバル、ナイトカフェ、屋台フェアなど魅力あるイベントを短期間計画でまわして人を呼び込む工夫をしています。
その結果、流山市の人口は、平成17年4月の152,499人から平成28年3月には176,495人に増加しています。人口構成を見ると、当初の狙いどおり子育て世代と子どもの増加が顕著になっています。流山市の平成27年の転入超過数は2,989人で、全国10位。また、千葉県内の他市町村が東京都に対して転出超過となっているのに比して、流山市は525人の転入超過となっているなど、成果をあげています。
2月16日、第3回防災分科会を連合千葉第2会議室で開催しました。会議は、矢崎座長の開会でスタート。冒頭、全体推進会議の佐藤事務局次長から他の福祉・地域活性化分科会の取り組み状況の報告しました。
協議事項の今後の進め方について、アドバイサーの法政大学の宮﨑伸光教授からの問題提起をうけ、それをベースに協議を進めました。その結果、防災分科会としての県内自治体へのヒヤリング調査を5月中旬目途に行うこととし、調査対象候補を佐倉市と船橋市としました。
また、防災と高齢者をテーマに地域活性化分科会と調整して、合同で講演会を開催することとしました。
2月4日、在宅医療等研究会の福祉分科会の企画として、①柏市豊四季台地区で進められている長寿社会のまちづくり事業(地域包括ケアシステム・在宅医療・生きがい就労、通称:柏市豊四季台プロジェクト)の視察、及び②流山市における「新しい総合事業(介護)」の取り組みのヒヤリング調査を実施しました。
当日は、在宅医療等研究会の地方議員を中心に30名が参加し、柏市豊四季台団地の中にある柏地域医療連携センターに集合。10時から柏市地域医療推進室とUR都市機構の担当者から柏市豊四季台プロジェクトの説明を受けました。
当日の視察には、私たち以外にも長野市、南魚沼市、盛岡市議会、厚労省からも参加者がおり、全体で50名を超えていました。平成26年度の視察件数は約280件に及び、日本各地からはもとより、台湾・韓国からも視察に訪れるとのことでした。
柏市は、東京都心から約30km、千葉県北部に位置し、首都圏のベッドタウンとして発展しました。人口409,447万人、171,965世帯(2015年4月1日現在)の中核市です。
2009年6月に、柏市・東京大学・UR都市機構の三者で「柏市豊四季台地域高齢社会総合研究会」を立ち上げたことが、このプロジェクトのそもそものきっかけでした。柏市の高齢化率は全体で24%程度ですが、豊四季台団地の高齢化率は40%を超えています。
しかし、5階建ての団地にはエレベータは設置されておらず、とりわけ要介護・要支援の高齢者は団地外への転出を余儀なくされる事態が増えてきました。柏市として、高齢者が住み慣れた団地に最後まで住み続けられない状況を見過ごすことのできない課題だととらえたとのことでした。
UR都市機構によれば、昭和39年(1964年)の東京オリンピックの年に完成した豊四季台団地の戸数は、4666戸、今年で52年を迎えます。平成16年から建て替え工事を進めており、①高齢者と子育て世帯の融合する街づくりのための在宅医療、福祉施設導入と子育て施設の拡充、②団地周辺を含めた交流拠点、③優れた住環境づくりを先導する景観形成と異常気象による大災害を防ぐための低炭素のまちづくり、の3点をまちづくりの考え方としています。
もう一つの大きな課題が、在宅医療=地域包括ケアの体制をいかに整備していくのかです。そのために、①東京大学が開発したケアマネージャーを含めた職種との連携を体感してもらえる研修プログラムの実施(講義型ではなく、他職種間のグループワーク中心で効率よく研修)、②主治医・副主治医制度の導入などバックアップシステムの構築による在宅医療に対する負担軽減、等を取り組んでいます。様々な取り組みを行った結果、柏市と医師会がしっかり連携したことで、他職種団体の関係づくりや連携のルールづくり行うことができるようになってきたそうです。
その後、3班に分かれて、豊四季台団地の中の各施設や建て替え中の団地の状況について説明を受けながら見学を行い、視察を終了しました。
柏市豊四季台地区の「長寿社会のまちづくり事業」の視察を終え、場所を柏駅に近い会議室に移動。14時から流山市介護支援課の早川仁課長から「新しい総合事業に係る流山市の取り組みについて」と題して、講演をうけました。
流山市は、千葉県北西部に位置し、東京都心から30km圏内にある住宅都市です。人口は173,556人(2015年4月1日現在)、2005年につくばエクスプレスが開通し、利便性が飛躍的に向上しました。沿線整備が進められ、若い転入者も多く、2015年中の人口増加率は千葉県内トップです。
2014年の介護保険制度改正にともない、いままで介護保険制度で実施していた介護予防給付(訪問介護・通所介護)については、全市町村が実施をする「新しい介護予防・日常生活支援総合事業(=新総合事業)」へ移行されることとなりました。この新総合事業は、介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業で構成され、対象を要支援者以外の高齢者にも拡大するとしています。
この新総合事業を2015年度から実施している自治体はまれで、流山市は先進的にそれを取り組みました。流山市ではなぜ2015年度から実施したのかよく聞かれるそうです。
介護保険制度は3年ごとに見直しを行うこととしており、流山市では第5期計画(2012年度~2014年度)に、以前からある総合事業を2014年度から実施することを計画に盛り込んでいたそうです。しかし、2013年後半から総合事業が大きく見直されるような法改正の動きが出てきたため、1年実施を先送りしたとのことでした。
人口増加率のトップの流山市でも高齢化の波はすぐそこまで迫っています。将来的な介護保険財政のきびしい状況を見据えれば、市町村が主体となって、地域包括ケアの中で手薄といわれている生活支援・介護予防を地域住民とともに構築していくことは必要不可欠です。この新しい総合事業は地域づくりであり、創りあげるのはたいへんだし、時間もかかります。助走期間は長ければ長いほど良いとのことでした。
流山市が考える総合事業のポイントは、①社会参加による介護予防-元気な高齢者が手助けを必要とする高齢者を支える、そのことによって健康維持できる-、②地域の身近な場所に、高齢者の居場所をつくることと社会参加による介護予防の仕組みをつくることが、高齢者の健康寿命の延伸と生きがいづくりにつながる、というものです。
社会参加による介護予防の実践として、訪問型サービス(A)の従事者には、市が実施する研修修了者も新たに含まれることとなり、流山市では資格を有さない研修修了者はすでに40名となるそうです。また、地域の拠点づくりには、市内107箇所にある自治会館を有効に活用するがポイントとのことでした。
最後に、アドバイサーの淑徳大学の鏡諭教授から「午前中の視察、午後の講演とも、健康でいきいきが共通するテーマだ。これはすばらしいことだが、健康でなければいけない、就労しなければいけない、という風潮が生じてくることが危惧される。きびしい環境下で働いている人、家族介護を抱えボランティアをやりたくてもできない人など、さまざまな人がこの世の中で暮らしている。理想を掲げることは必要だが、強要されるとそれからもれる人はどのような気持ちになるかということを一方で考えておかなくてはならない」と、社会保障がだれもが安心して生活していくために提供されるものという基本を踏まえることの大切さが述べられました。
講演会終了後、16時10分から天野主査の座長で開会。アドバイサーの鏡教授から会議の前段に実施された視察・ヒヤリングの講評を含めた挨拶が述べられました。
協議事項として、第4回福祉分科会(2015年11月25日)で確認された分科会の各委員のチーム分けと作業分担の見直し及び副座長3名の指名が行われ、了承されました。その後、会議を中断し、各チームに分かれて、定量分析及びヒヤリングの進め方について協議した。会議の再開後、各チームの協議内容が報告され、了承されました。
また、今回の分科会では、連合東葛地協の皆さんとの意見交換も行った。東葛地協からは、連合議員団会議に対して、東葛地協の政策委員会への参加・アドバイスなど協力要請がありました。
第2回視察については、山武市、八街市を候補とし、4月中に実施する、次回の第6回福祉分科会を4月5日(火)15時から開催することとし、閉会しました。 。
11月25日、第4回福祉分科会と第5回全体推進会議が開催され、少し間が空いた在宅医療等研究会の今後の取り組みを議論しました。
13時からの第4回福祉分科会は天野座長の挨拶でスタート。報告事項として、鏡教授から本年1月に実施した「2015年介護保険制度改革に関する市町村アンケート」の調査結果(PDF0.30MB)の報告がなされました。
福祉分科会の今後の進め方として、2016年2月上旬に柏市豊四季台プロジェクトの視察、流山市における新しい総合事業(介護)の取り組みについてのヒヤリング及び第5回福祉分科会を実施することが提案され、了承されました。
また、15時から開催されて第5回全体推進会議では、千葉県在宅医療等研究会の活動スケジュール等を見直すことについて、①千葉県在宅医療等研究会の調査研究期間を2016年11月末まで延長する(当初の調査研究期間は2016年5月で終了)、②今後2回予定をしているシンポジウムの開催を1回とする(2016年11月開催予定)、という2点を確認しました。
2月7日、連合千葉議員団会議の主催で調査研究事業第1回シンポジウム(共催:千葉県地方自治研究センター)が千葉県教育会館大ホールで開催されました。
今回のシンポジウムは、連合千葉議員団会議と地方自治研究センターが共同して2014年9月から2カ年にわたり取り組んでいる、在宅医療等研究会(福祉、防災、地域活性化の3分科会で構成)の調査研究活動の中間報告の場として企画されました。
シンポジウムは、網中肇県議(千葉市中央区)の司会で開会。連合千葉議員団会議の会長の天野幸雄県議(千葉市稲毛区)の主催者あいさつの後、三瓶輝枝市議(千葉市花見川区)、宮間文夫市議(大網白里市)、湯浅止子市議(市川市)の三氏から各地域の医療・介護の現状と取り組みが報告されました。
その後、秋山正子氏(NPO法人白十字在宅ボランティアの会理事長)から「地域で生き生きと暮らし続けるために-在宅医療を考える」と題した基調講演が行われました。訪問看護師として20年余にわたり在宅ケアに携わった実践に基づいた貴重なお話をうかがいました。まず、秋山氏は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目前にひかえ、日本の医療・介護制度が大きく変わろうとしていることにふれました。
これまでの総合病院を中心とした医療・介護の在り方から、かかりつけ医などの医療機関、在宅看護・介護スタッフ、介護支援施設等の地域のつながりをベースに在宅ケアを中心とした医療・介護への在り方、いわゆる地域包括ケアシステムへの転換が進められていることを説明。このシステムを構築することについては、まさに地方自治そのものだが、すでに地域の取り組みに強弱があり、地域差が生じているとのことでした。 国民の8割が病院で亡くなっている今の日本。たとえ、病院に入院しても、できるだけ短期間で地域で戻り、住み慣れた自宅や介護施設等、患者が望む場所での看取りができるまちづくりの必要性が述べられました。
講演の後段には、NHKプロフェッショナル仕事の流儀「訪問看護師・秋山正子」のDVDを放映。秋山氏が携わった訪問看護の事例-6年間入院していた難病患者の退院支援、認知症状の進行・うつのある独居高齢者の支援等-、高齢化の進んだ都内の団地で開設した「暮らしの保健室」を紹介しながら、その人らしく暮らした生活の場での人生の終わりをどう支援するか、重装備にならずに終末期を過ごすにはどうしたらよいか、等についてわかりやすく話していただきました。
シンポジウムの後半は、県内で活動する、医師、研究者、地方議員などによるパネルディスカッションを開催。コーディネータは当自治研センター理事長の宮﨑伸光氏(法政大学教授)がつとめ、パネラーの土橋正彦氏(千葉県医師会副会長)、天野行雄氏(議員団会議会長)、石井宏子氏(千葉県議会議員・君津市)、鏡諭氏(淑徳大学教授)からそれぞれ報告をうけました。会場からの質問には、コメンテーターの秋山正子氏が受け答え、講演内容の理解を補強。パネルディスカッションの終わりに、鏡諭氏は、医療・介護をコーディネートできる人材がいる地域は取り組みが進むが、そのような人材はそれほど多くない。身の回りのことに対して「気づき」が大切であり、地域での連携・工夫によって課題を一つ一つ解決していくことが必要と指摘しました。
シンポジウムは、連合千葉議員団会議副会長の岡部順一市議(君津市)の閉会挨拶で終了しました。このシンポジウムの内容は、自治研ちばvol.17(2015年6月発行)に掲載を予定しています。
9月27日連合千葉議員団会議と共同にて在宅医療、防災、地域活性化をテーマに研究を行う標記集会を開催しました。連合千葉議員団会議とは3年前、少子化対策と地域医療をテーマに研究会を開催し、冊子も出版しましたが今回はその第2弾です。今回の集会を出発点にして約2年間にわたり研究事業を行う予定です。
今回は淑徳大学の鏡諭先生の基調講演で「社会保障の変容とコミュニュティ」と題した講演を受けたあと、福祉、防災、地域活性化の3分科会に分けて討論を行いました。来年2月7日には研究の中間報告を兼ねた集会も予定しています。
この研究会は、人口減少と高齢化が 急速に進む千葉県における高齢者医療の機能強化をめざして、「在宅医療」を中心テーマとする共同研究事業(2014~2016年度)を行うものです。
千葉県在宅医療等研究会は、千葉県議会議員の天野行雄さんを代表(主査)として、連合千葉議員団会議の皆さんのご参加の下、一般社団法人千葉県地方自治研究センターが委託を受ける形で、当センターの理事である宮﨑伸光さん(法政大学法学部教授)のほか、当センターの専門スタッフが参加しています。
研究会には、コアメンバによる「全体推進会議」を置く一方、メインの「福祉分科会」、防災など地域災害に対応した「防災分科会」、そして子育て支援に焦点をあてた「地域活性化分科会」を設け、それぞれの分科会には学識経験をもつ研究者がアドバイザーとして参加しています。
「福祉分科会」は、研究会の代表である天野行雄さんを座長に、研究者としては鏡諭さん(淑徳大学コミュニティ政策学科教授)、「防災分科会」には矢崎堅太郎さん(千葉県議会議員)を座長に、当センター理事長の宮﨑伸光さん(法政大学法学部教授)、そして「地域活性化分科会」には網中肇さん(千葉県議会議員)を座長に、当センターの主任研究員である申龍徹さん(法政大学公共政策大学院客員教授)がそれぞれ担当することになりました。
講演会やシンポジウムなどの開催のほか、千葉県内の54の市町村に対し、在宅医療の現状と課題についてのアンケート調査の実施や自治体への実態調査などを踏まえ、2016年の秋により充実した在宅医療のあり方についての提言を行う予定でいます。
3・11以降の地域防災への関心の高まりを受け、震災や自然災害などへの対策を考える「防災分科会」では、高齢化する地域社会の実情を踏まえながら、近年において地域課題として浮上してきた空き家問題にも目を配り、安全・安心の地域防災のあり方を模索する予定です。調査研究では、建前の計画論ではなく、担い手の不足などより地域の実情を反映した形での地域防災のあり方を検討し、提言することにしています。
人口減少社会の処方箋として注目を集めている子ども・子育て支援の強化に着目し、子育て支援による地域活性化をメインテーマとする「地域活性化分科会」では、千葉県内の市町村における子育て支援策の現状と課題を比較分析するとともに、自治体間の格差の問題、同一自治体内における格差などを複数の自治体への現地調査を通じて、より充実した子育て支援策のあり方を提案する予定でいます。