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千葉の地域紹介

歴史と文化  一年を通じて花の咲くまち


自治研ちば vol.16(2015年2月)より転載

<シリーズ千葉の地域紹介>

…佐倉市企画政策課

■利便性と良好な自然環境に恵まれた住宅都市

佐倉市にある旧堀田正倫庭園の写真 佐倉市は、面積103.59平方㎞、人口17万5千人余りで、東京から西へ約40㎞、成田国際空港から約15㎞の距離にあり、京成電鉄本線、JR総武本線・成田線が市の東西を貫き、最短で、都心まで約40分、成田空港と千葉市中心部へはそれぞれ約15分という距離にあります。

市の南部に東関東自動車道と、国道51号が走り、東京と成田を結ぶほか、国道296号が市を東西に横断しています。 都心近郊にありながら、行政面積の8割近くを市街化調整区域とした緑豊かな住宅都市の顔を持つ一方、米、野菜などの農業も盛んで、商業、工業なども程よく調和した魅力あるまちです。

■歴史と文化のまち

北総台地のほぼ中央に位置するこの地は、旧石器時代の石器群が数多く発見され、縄文時代、弥生時代の遺跡や古墳時代から奈良・平安時代に至る遺構も多く、印旛沼とその周辺の河川がもたらす水利の良さなどにより古くから文化が栄えていたいことが分かります。

中世においては千葉氏一族の統治する下総の拠点であり、上杉謙信の臼井城攻めなどの逸話も残っています。天正18年(1590)江戸に入った徳川家康は江戸を守る要衝として佐倉を選び、慶長15年に土井利勝を藩主として移封させます。命を受けた利勝は、翌年から築城にとりかかり、6年後に佐倉城が完成します。以後、佐倉は幕府の有力者が藩主を務める城下町として繁栄しました。

幕末に藩主堀田正睦(まさよし)が、医学、英学、蘭学などの学問に力を注いだことから、明治にかけてわが国の近代化の礎を築いた人たちが佐倉の地から輩出されます。特に、正睦に招かれた佐藤泰然が天保14年(1843)に開設した医院兼医学塾の順天堂では泰然とその跡継ぎである佐藤尚中により、当時においては最先端の西洋医学による治療が行われ、門下からは日本医学の近代化に貢献した人材が多数出るなど、「日新の医学、佐倉の林中より生ず」と謳われるほどであったと言われています。

順天堂の一部は、現在佐倉順天堂記念館として公開されています。また、佐倉藩校の流れを汲む佐倉高等学校には明治時代からの木造校舎が残り、蘭学書などの貴重な資料や同校出身の長嶋茂雄氏ゆかりの品などが正門横の地域交流施設で公開されています。

明治7年に佐倉城跡に歩兵連隊が置かれると、終戦まで佐倉は連隊の町として栄えました。現在、城跡は佐倉城址公園となり、日本100名城にも選ばれています。公園の北側には国立歴史民俗博物館が置かれ、市内には国の重要文化財である旧堀田邸と庭園、武家屋敷などがあり、歴史と文化のまちとして知られています。

■子育て支援、福祉の充実したまち

佐倉市は、子育て支援や教育を充実させるとともに、誰もが安心してくらせるように保健・福祉・医療を充実させることで、定住人口の維持を図っていく施策に力を入れて進めています。

特に、地域の小児科医と総合病院が協力して運営する小児初期急病診療所は、高い評価を得ています。保育園は待機児童ゼロをめざして、公立保育園の定員拡大や民間保育園の誘致を進めており、学童保育所は全学校区に設置済みです。

教育面では、佐倉の歴史や文化などを学ぶ佐倉学を推進しているほか、小中学校全校で自校式の学校給食を実施し、競って食育活動を展開しています。

■1年を通じて花が咲くまちに

印旛沼畔にあるオランダ風車がシンボルの佐倉ふるさと広場周辺では、春はチューリップ、夏にはひまわりが咲き、そして2尺玉花火を目玉とする関東有数の市民花火大会が行われます。秋にはコスモスも咲く、市民憩いの広場となっています。佐倉城址公園の桜と花菖蒲、秋と春に貴重な原種 のバラが開花する佐倉草ぶえの丘バラ園など、年間を通じた花の名所である佐倉市を更に多くのかたに知っていただければと思います。

■スポーツを楽しめるまち

平成25年に佐倉市出身の長嶋茂雄氏が国民栄誉賞を受賞しました。それを機に、長嶋氏に市民栄誉賞を贈呈し、岩名運動公園の野球場を長嶋茂雄記念岩名球場と命名しました。隣接する陸上競技場は、当時高橋尚子選手、有森裕子選手などが練習を重ねた場所であり、毎年3月には佐倉朝日健康マラソン大会が開催され、全国からランナーが集います。

市内には、2人のメダリストの練習コースを体験できる金メダルジョギングロードが設定されています。また、岩名運動公園内をめぐるクロスカントリーコースがトップ選手のトレーニング場所として注目されています。更に、球技場では、イタリアACミランのサッカースクールが開催され、サッカーでも注目されるところとなっています。

■そして、選ばれるまちをめざして

第4期佐倉市総合計画では、歴史、自然、文化という強みを生かし、未来の市民に選ばれるまちを目指すとしています。

佐倉市は、子育て支援や教育の充実、保健・福祉、防災対策の推進により暮らしの安心を確保し、産業振興による雇用の拡大を図り、印旛沼周辺の自然や城下町の史跡、花の名所や、スポーツイベント等も活用することで、住み続けたい、訪れてみたい、住んでみたい、選ばれるまち、未来に希望の持てる「ふるさと佐倉」の創造を目指していきます。

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